2021 Fiscal Year Annual Research Report
ナイアシン栄養状態の変動が代謝調節にもたらす影響の網羅的解析
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19K20117
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| Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
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Principal Investigator |
畑山 翔 滋賀県立大学, 人間文化学部, 講師 (70825801)
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2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | ナイアシン / トリプトファン‐ナイアシン転換経路 / 代謝 / 栄養 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，トリプトファン‐ナイアシン転換経路の律速酵素を欠失したキヌレニン-3-モノオキシゲナーゼ欠失（KMO-KO）マウスを用いて，トリプトファンからのナイアシン供給の影響を排除した，「真」のナイアシン栄養状態が遺伝子発現や代謝経路におよぼす影響について明らかとしていく．
令和3年度は，前年度に明らかとした必要量相当のナイアシンを与えたKMO-KOマウスにエタノールを与え，エタノール摂取がナイアシン栄養状態におよぼす影響について，詳細に検討を行った．尿，血液，および肝臓中のナイアシン栄養指標を網羅的に解析したところ，必要量相当のナイアシンを与えたKMO-KOマウスでは，エタノール摂取によりナイアシン栄養状態の低下が認められた．この結果は，エタノール摂取によってナイアシン必要量が増加したことを示唆している．また，肝臓トリプトファン‐ナイアシン転換経路酵素活性を網羅的に解析したところ，必要量相当のナイアシンを与えたKMO-KOマウスにおいて，エタノール摂取によりNADサルベージ経路の抑制が認められた．以上の結果から，エタノール摂取はNAD消費の亢進およびNAD再合成の抑制によってナイアシン栄養状態の低下を引き起こしたことが示唆された．加えて，前年度に引き続き本年度も共同研究先より提供された臨床検体におけるナイアシン栄養状態の評価を行った．
本研究成果は，アルコール摂取によるナイアシン栄養状態の低下の詳細な機構について明らかとしたものであり，生体におけるナイアシン栄養状態の制御機構の解明に寄与するものである．
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