2020 Fiscal Year Research-status Report
乳児期におけるフラボノイド摂取量と薬物代謝酵素活性の関連
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19K20119
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
石坂 朱里 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (30724463)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フラボノイド / 乳児期 / 質量分析 / マウス / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、乳児期のフラボノイド摂取量と薬物代謝酵素活性との関連について究明する。 2020年度は、フラボノイドを投与したラットおよびマウスの生体試料を採取し、それら試料中フラボノイドの定量方法を検討した。血液試料に関しては、これまで血漿画分のみを評価対象とすることが大半であったが、血球画分にもフラボノイドが存在すると想定されたため、両画分からフラボノイドを回収した。また、フラボノイドの多くは水溶性の代謝物として血中を循環しているため、両画分に脱抱合酵素を処理することで、より有機溶媒にて抽出しやすいアグリコンへと変換した。さらに、血液の希釈率や抗凝固剤ならびに抽出溶媒等の条件を比較検討し、四重極飛行時間(Q-Tof)型質量分析装置にて試料中フラボノイドを分析した。その結果、血球画分におけるフラボノイドの局在および脱抱合処理によるフラボノイド回収率の向上がみられた。一方、乳汁試料に関しても、出産マウスの乳汁採取が可能となったことから、乳汁からのフラボノイド抽出条件の比較検討を進めた。さらに、離乳前の母および仔マウスの生体試料(血液・尿・臓器)も採取した。今後はこれら生体試料の解析を進めることで、母から仔へのフラボノイド移行量および生理機能性を評価できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度途中まで産休・育休を取得したため、その間は研究を実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
フラボノイド摂取マウス(母・仔)の生体試料(乳汁・血液・尿・臓器)をサンプリングし、Q-Tof型質量分析装置を用いて分析する。各試料中のフラボノイド量やフラボノイド代謝物の種類などを比較することで、母から仔へのフラボノイド移行メカニズムを究明する。さらに、血中の直接/間接型ビリルビン量についてもQ-Tof型質量分析装置を用いて分析することで、フラボノイド摂取が薬物代謝酵素の発現量や酵素活性に与える影響を評価する。また、臓器中の薬物代謝酵素発現量についてはウェスタンブロットにて解析する。
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Causes of Carryover |
2020年度途中まで産休・育休を取得したため、その間は研究を実施できておらず、次年度使用額が生じた。研究計画に沿って予算執行を進めていく。
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