2020 Fiscal Year Research-status Report
運動による体重セットポイントリセット効果:骨格筋UCP3のエネルギー代謝制御機構
Project/Area Number |
19K20125
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
進藤 大典 日本大学, 薬学部, 講師 (80748096)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Ucp KOマウス / 肥満児 / 運動 / 骨格筋 / UCP3 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス用回転ケージに問題が生じたため、本実験は途中の段階である。そこで、本実験の前にWTの雄と雌マウスを用いて、一過性の運動(7日間)によってUCP3の発現量が増加するのか否か、また、雄と雌で違いがあるのか否か観察することにした。現時点で結果が出ているのは、体重量、筋重量および血糖値である。 WT雄マウス(n=8)を7日間、安静維持させる雄・安静維持群(n=4)と7日間、マウス用回転ケージ用いた走運動を行わせる雄・自発運動群(n=4)に分けた。また、WT雌マウス(n=8)に関しても同様で、7日間、安静維持させる雌・安静維持群(n=4)と7日間、マウス用回転ケージ用いた走運動を行わせる雌・自発運動群(n=4)に分けた。体重量は介入前と7日間の介入後、計2回測定した。介入終了後、尾静脈採血を行い、血糖値を測定した。その後、心臓からの全採血を行い、大腿四頭筋、腓腹筋およびヒラメ筋を摘出し秤量した。 体重に関しては、雄の安静維持群と自発運動群との間に差異はみられなかった。また、雌の2群間で比較しても同じく差異はみられなかった。しかしながら、雌雄間で比較すると、安静維持群ならびに自発運動群とも雌のほうが雄に比べて、明らかに体重量が少なかった。 大腿四頭筋、腓腹筋およびヒラメ筋の重量を比較した結果、雄の安静維持群と自発運動群の絶対重量には差がみられなかったが、相対重量(体重あたりの重量)は腓腹筋とヒラメ筋で自発運動群のほうが高値を示した。このことは、7日間という短期間の自発運動でも下肢の筋量を維持させる効果があることを示している。一方、雌においては大腿四頭筋の相対重量が安静維持群に比べて、自発運動群が高値傾向を示したものの、他の筋肉部位で差異はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響でマウス用回転ケージの入荷が大幅に遅れた。さらにその回転ケージの構造的な問題でマウスがうまく走らないという事象が発生し、進捗状況に遅れが生じた。現在ではその問題は解決し、順調に実験は進められ、次年度中には解析をしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、Ucp KOおよびWTマウスを用いて、ヒト幼若齢期相当期間の運動を実施している。それらのマウスのUCP3遺伝子プロモーター領域におけるDNAメチル化解析、骨格筋における網羅的遺伝子発現解析を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
コロナの影響により、やや実験が遅れている。当該年度で、実験で使用する試薬類をまとめて購入し、次年度で解析を滞りなく進めていきたい。
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