2022 Fiscal Year Research-status Report
非肥満者における低炭水化物食が血液脂質代謝マーカーへ与える影響
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19K20127
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
伊藤 智子 東京家政大学, 家政学部, 特任講師 (50831864)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 低炭水化物食 / 熱産生栄養素 / 脂質異常症 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題①:低炭水化物食と血液脂質代謝マーカーとの関連を検討し、低炭水化物食が血液脂質代謝マーカーに及ぼす影響の強さを明らかにするとともに、課題②:肥満者および非肥満者のそれぞれにおいて、低炭水化物食による血液脂質代謝マーカーへ及ぼす影響を横断的・縦断的に明らかにすることを目的とする。保健指導の現場において適切な食事の処方を提案するためのエビデンス構築を目指す。 2022年度は、課題①②について大学同窓生を対象とした大規模コホート研究参加者のうち、中高年者2169名において検討を行った。栄養摂取状況は簡易型自記式食事歴法により推定し、熱産生栄養素のエネルギー比率から低炭水化物食スコア(以下LCDS)を算出した(LCDSが高い程低炭水化物食)。LCDSを4分位にして多重ロジスティック回帰分析を行った。アウトカムはLDLコレステロール高値(≧140mg/dLまたは内服者)、HDLコレステロール低値(男性:<40 mg/dL、女性:<50 mg/dL)、中性脂肪高値(≧150mg/dLまたは内服者)、脂質異常症(前述3指標1つ該当の場合)とした。課題①では、LDLコレステロール高値の多変量調整後オッズ比はLCDS高群において男女全体1.221(p for trend=0.221)、男性1.391(p for trend=0.070)、女性0.388(p for trend=0.222)であった。中性脂肪高値の多変量調整後オッズ比は、男女全体0.642(p for trend=0.039)、男性0.623(p for trend=0.046)女性0.704(p for trend=0.513)であった。HDLコレステロール低値、脂質異常症については、LCDSとの関連は認められなかった。男性においては低炭水化物食の度合いが高いほど、血中脂質代謝マーカーとの関連が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、これまで取得したデータ用いて、研究課題①における検討を行った。しかしながら、新型コロナウィルスの感染予防対策のため、健康診断、体力測定、食事調査が未実施となった。2023年4月から測定が再開したため、データ収集をしてサンプルサイズを増やす予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、データの信頼性を高めるためにサンプルサイズを増やした解析を行い、低炭水化物食と血中脂質代謝マーカーとの関連について、同様の結果が得られるかについて確認し検討する。得られた研究成果については(研究課題①、②)、学術誌投稿に向けて論文執筆をする。
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Causes of Carryover |
データ収集のための健康診査、体力測定、食事調査が中止となったため、血液分析代などの研究経費が支出できず、次年度使用額が発生した。測定再開に伴い、採血物品用品の購入、血液分析代、論文投稿料などの研究経費へ当てる予定である。
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