2021 Fiscal Year Research-status Report
地域高齢者の認知症及び認知機能低下リスク要因の検討ー10年前向きコホート研究ー
Project/Area Number |
19K20132
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
古瀬 裕次郎 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (40826377)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究遂行から10年後のデータを計測することが、本研究の主たる目的であった。10年後のデータ測定は新型コロナウィルスの感染拡大によって困難を極めているが、10年間にわたりフォローアップしている対象者の運動教室は、新型コロナウィルスの政策(緊急事態宣言またはまん延防止等重点措置)による休止時期を除いて、定期的に展開している。また、認知症の発症リスクとして考えられる要因にあたりをつけ、より正確に10年後のデータ収集を行うため、研究初年度のデータを横断的に解析し、認知症や加齢のリスク要因について研究発表を行っている(BMC Geriatrics 21: 421, 2021; Experimental Gerontology: online ahead on print, 2022)。 2021年度は新型コロナウィルスの感染拡大が一時的に落ち着いたタイミングで、対象地区の市長と研究遂行について協議した。 研究最終年となる2022年度も、対象者のフォローアップを続けながら、新型コロナウィルスの感染拡大等の状況を慎重に判断しつつ、本来の目的である追跡調査の遂行を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスの世界的流行に収束の目途が立たないため、市民の情報をつかさどる市役所(特に保健福祉関係課)の仕事量が、コロナ禍以前に比べて激増している。本研究は、かねてより市役所の保健福祉関係の部署との連携で、市民への連絡や日程の調整、研究実施場所の管理を行っていたため、市役所の保健福祉関係の部署が極めて多忙になったことで研究遂行に遅れをきたしている。 また、2021年度末には福岡県に発令されていた、新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置の終了(解除)がなされたが、高齢者には新型コロナウィルスワクチン3回目接種が全国的に展開されており、市役所の保健福祉関係の部署の仕事量はより一層増すこととなった。 2022年度は、高齢者に対し新型コロナウィルスワクチン4回目接種が展開される可能性が高いため、新型コロナウィルスの感染状況や、政策によって本研究の進捗状況は今後も左右されると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度末に、対象地区の市長と面会し、研究遂行について協議した。市長には研究遂行に前向きな姿勢を示していただいた。その際、新型コロナウィルスの感染拡大のため、高齢者と直接対面してデータ収集を行うことは実質不可能であると考えられたため、対面しない方法である、アンケート調査や、医療費等のデータの収集を中心に研究計画を変更して実施する方向を説明した。 市役所の中で主に連携している部署は、保健福祉関係の部署であるため、新型コロナウィルスの感染拡大のみならず、新型コロナウィルスのワクチン接種の時期を避けながら、市民への連絡やデータの抽出を依頼する方向で調整している。新型コロナウィルスの世界的流行が収束しない以上、当初の研究計画で研究を進めていくことは不可能であると考えられる。市役所の担当部署に多大な負荷をかけることも避けるべきであるため、2022年度は市役所との連携を密にして、研究遂行の助力をいただける範囲を模索していく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの世界的な感染拡大の影響による。コロナウィルスの感染を避けるために、多くのヒトを一か所に集めることは空けるべきであった。さらに、複数回のコロナワクチン接種も並行して行われており、市役所が多忙を極めている。そのため、研究実施のための行政との協力が困難な状況にある。 次年度は、コロナワクチン接種4回目が予定されているが、ワクチン接種が終わり次第、行政との交渉を再開し、協力を要請していく。その際、市民への郵送費等に使用する予定である。
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