2020 Fiscal Year Research-status Report
高カカオチョコレート摂取による認知機能および循環機能の改善効果に関する研究
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19K20133
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
山口 裕嗣 西九州大学, 健康福祉学部, 講師 (00826513)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | カカオポリフェノール / 認知機能 / 動脈硬化度 / 軽度認知障害 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は認知症の症状を改善する方策として,カカオポリフェノール(cacao polyphenol, CP)を高濃度含有するチョコレートの継続的な摂取の有効性につい て,当初2年間で検証する計画で進めてきた。最終年度の令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受け,屋外でも測定可能となるよう環境整備を進めたものの,高齢者対象の測定を実施することができず,やむを得ず補助事業期間の1年間延長申請を行った。改めて令和3年度を最終年度とし,コロナ渦でも工夫を凝らしながら研究計画を遂行したい。 これまでの実績として,令和元年度(1年目)には軽度認知障害(mild cognitive impairment, MCI)および血管内皮機能の改善効果に着目し,両者の改善における関連について検証した結果,認知機能および動脈硬化度は相関をもって改善する可能性が示されている。また令和2年度(2年目)も高CPチョコレートの継続摂取の改善効果について追加検証し,血管内皮機能に加え視覚機能などの観点からも改善機序を解明する研究に取り組む計画であった。令和3年度は上記計画を着実に進められるよう,感染予防対策を徹底したい。 なお,本研究は次の通り実施するものである。S県内の介護老人福祉施設の入所者や訪問・通所介護サービス等の利用者を,ビターチョコレート摂取群(BC群)およびホワイトチョコレート摂取群(WC群)に割り付けるランダム化比較試験とする。市販のチョコレートを1日2回,4週間,毎日摂取させ(午前10時および午後3時に各10 g,計20 g/日程度),介入期間4週間の前後に認知機能,動脈硬化度および身体組成を測定する。BC群には『チョコレート効果 カカオ72%(明治)』より,CPとして508 mg/日(127 mg × 4片)を摂取させ,WC群には『カレ・ド・ショコラ マダガスカルホワイト(森永)』より,BC群と同量の摂取エネルギー(112 kcal)となるよう,4片/日を摂取させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響から,高齢者を対象とする測定等を見送らざるを得なかった。結果として計画通りに本研究を遂行できず,補助事業期間を1年間延長することとした。なお,S県の介護老人福祉施設や訪問・通所介護サービス,N県の認知症専門病院等とは引き続き協議を行っており,コロナ禍での測定実施について検討を進めている。改めて最終年度となる令和3年度は,万全のコロナ対策を講じたうえで本研究を着実に遂行したい。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は認知症の症状を改善する方策として,高カカオチョコレートの継続的摂取の有効性について検証するものである。1および2年目で目標としてきた対象者数40名に到達できなかったため,1年の延長期限となる令和3年度に計画通り対象者数を積み上げて追加検証を進めたい。 新型コロナウイルスの感染状況を見極めながらにはなるものの,これまで研究協力を得てきたS県の介護老人福祉施設および訪問・通所介護サービスに加え,N県の認知症専門病院等からも新規で協力の申し出を頂いていることから,研究をより一層推進して一定の成果を挙げたい。
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Causes of Carryover |
令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響から,本研究で対象とする高齢者への測定等の研究活動を実施することができず,次年度使用が生じた。 1年間の延長期限となる令和3年度は,カカオポリフェノールを高濃度含有するチョコレートの継続摂取による認知症の改善効果について,血管内皮機能に加え視覚機能などの観点からも,その改善機序を解明する研究に取り組む計画である。また、論文および学会発表等による成果公表も予定している。コロナ渦においても感染予防対策を徹底したうえで研究活動を遂行したい。
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