2021 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋の質の評価のための骨格筋細胞膜のコンデンサ特性の検証
Project/Area Number |
19K20140
|
Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
吉田 司 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 身体活動研究部, 研究員 (20822175)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 骨格筋 / 生体電気インピーダンス |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢期の筋機能の低下は、骨格筋量の減少のみではなく骨格筋の質の低下も影響していると考えられている。家庭用の体脂肪計などにも用いられる技術である生体電気インピーダンス法は、骨格筋の量だけでなく質も評価できるツールとして注目されている。本研究は、生体電気インピーダンス法の応用法の一つである分光法を用いて、骨格筋の細胞膜のコンデンサ特性が骨格筋の質を評価できるかを検証するものである。分光法はその測定手法の特性上データ量が膨大になる。本研究課題を通して膨大なデータを処理するプログラムの開発に取り組んだ。一部完成したデータ処理プログラムによって取得データを整理し、コンデンサ特性を示すと考えられる電気パラメータを抽出した。この電気パラメータといくつかの身体機能指標との間に有意な相関関係が認められた。コンデンサ特性は骨格筋の質を反映している可能性が示唆された。生体電気インピーダンス法の測定装置の多くは小型で軽量である。本研究結果は、様々な施設での健康づくりや介護予防プログラムを作成・検証するための事前・事後評価などでの利用が期待される。一方で、本研究では現象を示したに過ぎず、メカニズムについては不明な点が多い。また、横断データの解析結果であるため、個人間変動を示したに過ぎない。メカニズムを解明するために骨格筋の物理的特性を明らかにする実験や、個人内変動あるいは共変動を評価するための経時的な縦断データの解析や介入試験による検証などが求められるため、本研究助成期間終了後も研究を継続する予定である。
|