2020 Fiscal Year Research-status Report
中小企業事業場における身体活動を中心とした健康経営モデルの創出
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19K20147
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
辻本 健彦 島根大学, 学術研究院人間科学系, 講師 (00713299)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 身体活動 / 健康経営 / 中小企業 / 労働者 / テレワーク / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、大企業を中心に健康経営の考え方が広まり、労働者に対する健康増進の取り組みが労働生産性や企業イメージの向上へつながる知見が生み出されつつある。しかし、全国規模で考えると企業数・労働者数のほとんどを占めるのは中小企業であり、そこでは健康経営の取り組みが遅れているのが実情である。 本研究では、中小企業における身体活動を主眼とした健康経営モデルの創出を目指し、プログラムの作成およびその効果検証を行うことを目的としている。前年度に行った健康経営に関する実態調査において、身体活動関連およびメンタルヘルス関連の取り組みが少ないことが明らかとなっていたことから、今年度においては、身体活動量の増進およびメンタルヘルスの改善をメインアウトカムとしたプログラムの作成を行った。また、併せてコロナ禍における活動自粛・テレワーク中の身体活動量およびメンタルヘルスの実態調査も実施した。 コロナ禍における労働者の身体活動・メンタルヘルスについては、特にテレワーク中の身体活動が顕著に減少することが明らかとなり、メンタルヘルスについては、一部の者に悪化が見られた。 また、身体活動量の増進およびメンタルヘルスの改善をメインアウトカムとしたプログラムの作成については、県内の企業と連携し、web環境を活用した遠隔のプログラムを作成することとなった。メンタルヘルスの改善を企図したマインドフルネスプログラムの作成も行っており、次年度において中小企業における実証研究を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大防止による研究活動の制限が生じ、対面によるプログラムの実施が難しくなったため、コロナ禍に対応した形でのプログラムの作成を検討することとなった。県内企業の協力を得て、web環境を活用したプログラムの開発に着手し、効果検証を行う手はずが整いつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
事業最終年度となる今年度は、県内の中小企業が取り入れやすい身体活動を中心とした健康経営モデルの策定へ向け、考案したプログラムの効果検証を行うこととする。成果は速やかに学会発表・原著論文としてまとめ、公表していくこととする。
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Causes of Carryover |
2020年度に予定していた学会発表に関する旅費を計上していたが、新型コロナウイルスにより使用しなかったことなどから次年度使用額が発生した。次年度使用額については、2021年度における論文投稿費用に充てる予定である。
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