2019 Fiscal Year Research-status Report
震災後避難住民における栄養状況の経年的な推移と糖尿病発症に及ぼす影響
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19K20150
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
章 ぶん 千葉大学, 予防医学センター, 特任助教 (80736760)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血清栄養素 / バイオマーカー / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、福島県内の避難区域13市町村の1自治体(楢葉町)の令和1年度特定健診受診者受診者を対象(1,336人)とし、バイオマーカー検査(血清鉄、血清マグネシウム)による住民の栄養状況を評価し、バイオマーカーデータおよび特定健診データを集まって、血清鉄、血清マグネシウムと生活習慣病の関連を検討した。対象者において、平均血清マグネシウム値は2.134mEq/L、平均血清鉄値は108.076mEq/Lで、昨年度よりやや高くなってきたことが分かった。解析方法:血清鉄、血清マグネシウムを四分位で分析を行い;各グループの多変量調整したオッズ比をロジステックモデルにより算出した;共変 量:性別、年齢(<=49, 50-64,>=65 ,BMI(<25, >=25)、喫煙(習慣的喫煙あり、習慣的喫煙なし)、飲酒(毎日、ときどき、ほとんど飲まない、まったく飲ま ない)、運動(30分以上の運動習慣あり、 30分以上の運動習慣なし)となった。分析結果:血清鉄、血清マグネシウムの低値群にくらべ、高値群の糖尿病の有病リスクを有意に下がる。楢葉町住民において、血清マグネシウム高値は糖尿病の予防因子、血清鉄高値は高血圧と腎臓疾患の予防因子だと考えられる。 なお、令和2年度の楢葉町40~89歳男女を対象として特定健診を行なうとともに、平成28-30年度の楢葉町40~89歳男女を対象として特定健診データおよび栄養に関するバイオマーカー検査データを統合し、バイオマーカーと生活習慣病との関連を縦断的な分析を行なう予定です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の調査は、例年より多い対象者の参加を得て、1,336名の40~89歳男女の血清鉄、血清マグネシウムおよび特定健診のデータを集まることができました。しかも、血清鉄、血清マグネシウムの低値群にくらべ、高値群の生活習慣病の有病リスクを有意に下がることを証明でき、予想通りの結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28-30年度の楢葉町40~89歳男女を対象として特定健診データおよび栄養に関するバイオマーカー検査データを統合し、バイオマーカーと生活習慣病との関連を縦断的な分析を行なう予定です。 また、避難区域等に指定された13市町村住民を対象として食物摂取頻度調査票により自己記入式の形で詳細な食事調査を行う。避難住民における、震災前後の健診成績 (血圧、BMI、総コレステロール、中性脂肪など)の変化と食事により各栄養素および血清鉄、血清マグネシウム、の関連を検討する予 定です。
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Causes of Carryover |
前年度で実施予定であった避難区域等に指定された13市町村住民の食事調査は令和2年度実施することになった。 使用計画:楢葉町40~89歳男女を対象として令和2年度の特定健診データおよび栄養に関するバイオマーカー検査データの収集を行う際に出張旅費、謝金などとして使用予定です。避難区域等に指定された13市町村の住民を対象として食物摂取頻度調査票により自己記入式の形で詳細な食事調査を行う際に出張旅費、謝金などとして使用予定です。
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