2022 Fiscal Year Research-status Report
震災後避難住民における栄養状況の経年的な推移と糖尿病発症に及ぼす影響
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19K20150
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
章 ぶん 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80736760)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バイオマーカー / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、福島県内の避難区域13市町村の1自治体(楢葉町)の令和4年度特定健診受診者受診者を対象(1,476人)とし、バイオマーカー検査(血清 鉄、血清マグネシウム)による住民の栄養状況を評価し、バイオマーカーデータおよび特定健診データを集まって、血清鉄、血清マグネシウムと生活習慣病の関 連を検討した。解析方法:血清鉄、血清マグネシウムを四分位で分析を行い;各グループの多変量調整したオッズ比をロジステックモデルにより算出した;共変量:性別、年齢(<=49, 50-64,>=65) ,BMI、喫煙(あり、なし)、飲酒(飲酒あり、飲酒なし)、運動(運動習慣あり、運動習慣なし)となった。分析結果:住民 1,476 人の内、2022年度の特定健診で血圧異常の人 709 人、腎臓異常の人124人、糖尿病または糖尿病の疑いのある人 271人、肝臓異常の人 119 人を判明した。 血清マグネシウムの低値群(中央値 2.0mEq/L)にくらべ、高値群(中央値 2.4mEq/L)における糖尿病糖尿病または糖尿病の疑いのリスク0.58 (95%CI: 0.35-0.97), P<0.05 となって、有意な負の関連が見られた。 血清鉄の低値群(中央値 73mEq/L)に対して、高値群(中央値 144mEq/L)の高血圧多変量調整後のリスクは 0.63 (95%CI: 0.42-0.95), P<0.05, 低下する傾向性が見られた;高値群の腎臓疾患の有病リスクは 0.38 (95%CI, 0.19-0.74), <0.01,糖尿病または糖尿病の疑いのリスクは 0.56 (95%CI: 0.35-0.90), P<0.05 となって、有意な負の関連が見られた。 楢葉町住民において、血清マグネシウム高値と血清鉄高値は糖尿病の予防因子だと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の楢葉町40~89歳男女を対象として特定健診およびバイオマーカー検査を順調に行った。
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Strategy for Future Research Activity |
過去数年間の楢葉町40~89歳男女を対象として特定健診データおよび栄養に関するバイオマーカー検査データを統合し、バイオマーカーと生活習慣病との関 連を縦断的な分析を行なう予定です。 また、避難住民にお ける、ほかの検査指標(血圧、総コレステロール、中性脂肪など)の変化と血清鉄、血清マグネシウムとの関連を検討する予定です。
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Causes of Carryover |
次年度も避難区域等に指定された13市町村住民のバイオマーカー検査も実施するよていである。 使用計画: 楢葉町40~89歳男女を対象として令和5年度の特定健診データおよび栄養に関するバイオマーカー検査データの収集を行う際に出張旅費、謝金などとして使用予定です。
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