2023 Fiscal Year Annual Research Report
震災後避難住民における栄養状況の経年的な推移と糖尿病発症に及ぼす影響
Project/Area Number |
19K20150
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
章 ぶん 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80736760)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バイオマーカー / 腎臓疾患 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、福島県内の避難区域13市町村の1自治体(楢葉町)の令和4年度特定健診受診者受診者を対象(1,333人)とし、2019年のバイオマーカー検査(血清 鉄、血清マグネシウム)による住民の栄養状況を評価し、3年前の血清鉄、血清マグネシウムと2023年の生活習慣病の関連を縦断的に検討した。解析方法:血清鉄、血清マグネシウムを四分位で分析を行い;各グループの多変量調整したオッズ比をロジステックモデルにより算出した;共変量:性別、年齢(<=49, 50-64,>=65) 、BMI、喫煙(あり、なし)、飲酒(飲酒あり、飲酒なし)、運動(運動習慣あり、運動習慣なし)となった。分析結果:住民1,333人の内、2022年度の特定健診で血圧異常の人 722 人、脂質異常の人は690人、腎臓異常の人270人、糖尿病または糖尿病の疑いのある人 818人、肝臓異常の人315人を判明した。 血清マグネシウムの低値群(中央値 1.9mEq/L)にくらべ、高値群(中央値 2.3mEq/L)における脂質異常の多変量調整後の有病リスク1.42 (95%CI: 1.01-2.00), P<0.05 となって、有意な正の関連が見られた。 血清鉄の低値群(中央値 73mEq/L)に対して、高値群の腎臓疾患の多変量調整後有病リスクは 0.59 (95%CI, 0.38-0.91), P=0.01となって、有意な負の関連が見られた。 楢葉町住民において、血清鉄高値は腎臓疾患の予防因子だと考えられる。血清マグネシウムの高値群において、総カロリーの摂取も高くなる可能性も考えられる。今後は、総カロリーも考慮して、調査し、更に検討する必要がある。
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