2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K20151
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Research Institution | The University of Nagano |
Principal Investigator |
新保 みさ 長野県立大学, 健康発達学部, 助教 (90827247)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食事療法 / 糖尿病 / 食器 / ナッジ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、食事の適量管理に食器が与える影響を調べることである。2020年度は、2019年度より引き続き、ある内科クリニックの協力を得て、クリニックを受診した2型糖尿病患者の男性を対象に、小さな茶碗(直径10.7㎝、高さ5㎝)を与えて米飯指示量を遵守するよう指導する介入を行った。2020年度は85名まで研究参加者を募り、介入を行い、ベースライン、1か月後、3か月後に調査を行い、得られたデータの解析を始めた。詳細を以下に示す。 85名の研究参加者のうち、全ての調査に参加した者は77名(介入群41名、対照群36名)だった。なお、対照群には、茶碗を与えず、米飯指示量を遵守するよう指導を行った。ベースラインの調査項目は、属性(最終学歴、勤務状況、婚姻状況、同居の有無)、食生活(主な調理担当、普段の茶碗の大きさ、普段の米飯摂取量、米飯の盛り付け、家庭の味付け、中食の利用頻度)、米飯摂取量の管理に対する重要性・自信・意図、食事療法に関するQOLで、1・3か月後の追跡時の調査項目は、1・3 か月間の米飯指示量の遵守、米飯摂取量の管理に対する重要性・自信・意図、食事療法に関するQOLで、介入群のみ、1・3 か月間の自宅での米飯摂取頻度、茶碗使用頻度もたずねた。介入群と対照群の1か月後および3か月後の体重変化量を比較した結果、1か月後、対照群では平均0.4㎏増加、介入群では平均0.3㎏減少し、2群間の体重変化に有意な差がみられた。しかしながら、3か月後、対照群ではベースラインより平均0.2㎏増加、介入群ではベースラインより平均0.2㎏増加で、有意な差はみられなかった。小さな茶碗を与える介入の短期的な効果は示されたものの、長期的な効果は示されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、研究参加者を募ることが難しい状況が続き、参加者募集期間を延長したため、進捗状況はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、進捗状況に遅れが生じ、研究期間を延長した。2020年度は参加者を募り、1か月後および3か月後の追跡調査まで完了したため、2021年度は得られたデータの解析を進め、論文を作成し、投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、研究参加者を募ることが難しい状況が続き、参加者募集期間を延長した。これにより、予定よりもデータが揃うまでに時間がかかり、2020年度中に解析を完了し、論文を執筆することができなかった。そのため、論文の英文校閲費、報告書の製本代がかからなかった。また、参加予定の学会が誌上開催となり、旅費がかからなかった。これらの予算使用予定の変更により、次年度使用額が生じた。次年度、論文や報告書を作成し、英文校閲費、投稿料、報告書の製本代などに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)