2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K20151
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Research Institution | The University of Nagano |
Principal Investigator |
新保 みさ 長野県立大学, 健康発達学部, 講師 (90827247)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食事療法 / 糖尿病 / 食器 / ナッジ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、食事の適量管理に食器が与える影響を調べることである。2021年度は、2019年度~2020年度に行った介入研究のデータ解析を引き続き行い、得られた成果を学会発表や英語で論文化し、国際誌に投稿した。本研究は申請時の計画では、2019~2020年度の2年間で行う予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、介入研究への参加者を募ることが難しい状況が生じたため、参加者募集期間を延期した。これに伴い、研究期間も延期し、2021年度は2020年度に実施しきれなかった部分を補完した。解析結果の詳細を以下に示す。 介入研究の対象者は2型糖尿病患者の男性であり、介入群には米飯摂取量の管理において小さな茶碗を与え、米飯指示量を遵守するよう指導した。対照群には通常の栄養指導を行い、1か月後、3か月後の米飯指示量の遵守、今後の継続意思を比較した。その結果、小さな茶碗を用いた介入群の方が3か月後の米飯指示量を守ることができた者が多く、その後の継続意思も高い傾向が示された。小さな茶碗の使用は米飯量の遵守に有用なツールであったと考えられる。しかし、小さな茶碗の使用による体重への効果については、昨年度の研究実績で報告した通り、1か月後には介入群の方が減量し、短期的な効果が示されたものの、3か月後には介入群と対照群の間に差がみられず、長期的な効果は示されなかった。これらの結果から、小さな茶碗の使用期間が長くなると、米飯以外の食事の量が増えるなど、食事全体の摂取量が小さな茶碗を使用する前に戻った可能性が考えられる。小さな茶碗の体重への効果の検証には、食事全体の評価も行う必要がある。
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Remarks |
第29回日本健康教育学会学術大会優秀演題賞
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Research Products
(1 results)