2019 Fiscal Year Research-status Report
未就学児の野菜摂取量とその関連要因を評価する質問紙の開発
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19K20155
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Research Institution | Sapporo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
岩部 万衣子 札幌保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (70530228)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 未就学児 / 保護者 / 野菜摂取 / 質問紙 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、未就学児の野菜摂取量とその関連要因を探るための評価指標の質問紙項目を検討した。野菜摂取量の項目は、研究者が先行研究で検討済の項目を用いるが、関連要因の項目は検討が必要であるため、2016~2020年3月までに公表された論文の系統的レビューを行った。医学中央雑誌、CiNii、PubMedを用いて、検索式は「野菜」、「小児」、「栄養・食教育」を示すキーワードを掛け合わせた。採択基準は「査読付学術雑誌(紀要含む)」「介入(ケースシリーズ除く)・観察研究」「対象は日本人の健康な3~18歳」「調査内容は野菜摂取増加を目指した食育の内容、野菜摂取の調査を行った内容、野菜に関する評価指標の開発」とした。291件の表題と抄録を精査し225件を除外し、採択基準に基づき本文を精査して最終的に33件の論文を採択した。未就学児が対象の論文は5件と限られたため、3~18歳の全採択論文を対象に、複数の論文で野菜摂取量との関連が示された項目を抽出した。また、研究者が以前に2003~2015年の公表論文について行った同様の系統的レビュー、平成20~30年国民健康・栄養調査結果、平成27年度乳幼児栄養調査結果で野菜摂取量との関連が示された項目も抽出した。抽出された項目は「世帯所得」「主食・主菜・副菜をそろえた食事」「便秘」「朝食摂取」「咀嚼」「食事バランス・運動・睡眠の生活習慣」「保護者の野菜摂取量」であった。 以上の結果から、質問紙の構成は「子どもと保護者の野菜摂取量(平日・休日)」「子どもと保護者の態度(嗜好・認知・自己効力感)」「保護者の知識」「子どもの食習慣(主食・主菜・副菜をそろえた食事、朝食摂取、咀嚼)」「子どもの生活習慣(運動、睡眠、排便)」「社会経済的要因(世帯所得)」とした。また、外的基準の項目として、先行研究で開発された未就学児の野菜提供に関する自己効力感尺度を設定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では目的達成のために、研究期間内に3つの課題を遂行することを計画し、2019年度には課題1として、未就学児の野菜摂取量とその関連要因を探るための評価指標の質問紙項目を検討することとしていた。具体的には、未就学児の野菜摂取量の評価指標は、研究者がこれまでの研究で明らかにした「1日に食べる野菜料理の摂取皿数」の項目を用い、野菜摂取量に関連する要因の評価指標は、近年着目されている項目(健康格差等)や外的基準となる項目を国内外データベース収載の論文の系統的レビューを行い、含めるべき項目を選定し、未就学児の野菜摂取量とその要因を探るための評価指標の質問紙のベースを作成することとしていた。本年度は、研究実績の概要に示したとおり、系統的レビューの結果から質問紙のベースを作成することができたため、概ね計画通りに進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は本研究の目的達成のために設定した3つの課題のうちの1つ目の課題を実施した。今後は、残りの研究期間において2つ目、3つ目の課題を遂行する。 2つ目の課題では、2019年度に作成した質問紙が未就学児の野菜摂取量とその関連要因を適切に評価できる構成概念となっているか、外的基準との関連は高いか、因子分析および関連の強さの分析により、質問紙の妥当性・信頼性の高さを検証する。 3つ目の課題では、作成した質問紙は実際の介入による野菜摂取量やその関連要因の変化を適切に捉えられるかを検証する。第一に、野菜摂取増加のための食教育内容の作成と対象施設の選定を行う。食教育内容は、研究者がこれまでに保育施設での取組の分析から野菜摂取増加に有効ではないかとの示唆を得た内容、先行研究の内容から作成する。第二に、保育施設別に野菜摂取量増加の食教育を実施する介入群と実施しない対照群を設定する。対象施設の未就学児の保護者を対象に、作成した質問紙を用いて介入前後に調査を実施し、その前後の野菜摂取量とその関連要因の変化について2群間の差を比較する。さらに、健康格差別に分類し、野菜摂取量とその関連要因に差があるかを分析する。これにより、作成した質問紙が実際の介入よる野菜摂取量やその関連要因の変化を適切に捉えられるか、健康格差別の変化を捉えられるかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
次年度以降の研究データ解析準備として、購入したノートパソコンへの統計ソフトインストールのため、外付けDVDドライブおよび作業のためのマウスが必要となり、購入する予定であったが、2019年度の研究費残額での購入ができなかったため、次年度予算で購入することとした。そのため次年度使用額が生じた。 次年度は、2019年度に購入を見合わせたノートパソコン用の外付けDVDドライブおよびマウスを購入するほかは、当初計画に沿って助成金を使用する予定である。
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