2022 Fiscal Year Research-status Report
加齢による立体運動視の脳内神経ネットワークの変化と転倒との因果関係の検討
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19K20156
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Research Institution | Fukuoka International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
池田 拓郎 福岡国際医療福祉大学, 医療学部, 講師 (20611792)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 運動視 / 立体視 / 歩行 / 姿勢 |
Outline of Annual Research Achievements |
歩行中の頭部動揺の増大が動的不安定性の要因となると考えられているが,進行方向の情報源となる視空間認知が関与するかはわかっていない.本研究では,Optic flow (OF)感覚閾値が歩行時の頭部動揺に与える影響を検討した.400個の白色ドット(サイズ 0.2 度,移動速度 5.0 度/秒)を7段階のレベルで共同運動を呈示し,対象者には湧き出し方向または吸い込み方向を選択させ,共同運動レベル(OF閾値)を算出した.歩行計測には慣性センサを用い,200Hzのサンプリング周波数で11mの平常歩行中の頭部の加速度信号を記録した.結果,OF閾値が高い群(HI-OF)と低い群(LOW-OF)で分けたところHI-OF群の左右方向の加速度は,LOW-OF群に比べて有意に高かった.上下ならびに前後方向では有意差を示さなかった.以上のことから,OF知覚の低下が平常歩行時の頭部の左右の動揺を引き起こすことが示唆された.OF認知が歩行時の動的不安定性に関与する可能性が考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間前半は,COVID19と研究代表者の所属機関の転籍の影響を受けてやや遅れを生じていたが,一昨年度より,研究計画を修正したことによっておおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として,追加実験を行うことでより詳細な視空間認知(特に,立体・運動視)と姿勢および歩行との関連を明らかにする.
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Causes of Carryover |
論文執筆に遅れを生じてしまい,次年度の計画として英文校閲費,投稿費を計上する.また,追加実験を行っており,その成果報告となる学術大会関連費としての使用を計画している.
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Research Products
(3 results)