2020 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化症の関連分子であるLTBP-1の細胞遊走に関わる部位決定とその応用
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19K20157
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Research Institution | Chiba Institute of Science |
Principal Investigator |
三森 盛亮 千葉科学大学, 薬学部, 講師 (70433688)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | LTBP-1 / 動脈硬化症 / TGF-β / 細胞遊走 |
Outline of Annual Research Achievements |
アテローム性動脈硬化(atherosclerosis)は,動脈硬化症(arteriosclerosis)の最も一般的な形態であり,動脈硬化症とは動脈壁の肥厚および弾性喪失を引き起こすいくつかの疾患の総称である。アテローム性動脈硬化は,冠動脈疾患や脳血管疾患を引き起こすことから,動脈硬化症の中で最も重篤で臨床的に重要な病態でもある。アテローム性動脈硬化は、あらゆる大型および中型動脈に発生し、米国および大半の先進国において疾患発生および死亡の主な原因となっている。 本研究では、アテローム性動脈硬化において現在最も広く受け入れられている動脈内膜肥厚過程の中で、TGF-β 複合体の一成分であるLatent TGF-β binding protein-1 ( LTBP-1 )の平滑筋細胞の遊走作用を有する部位を明らかにしたい。さらに、LTBP-1の機能とTGF-βとの関係性を明らかにし、粥腫の発症、進展および退縮にどのように働いているかを調べたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、LTBP-1の機能解析を行うため①組換え体発現用ベクターの作製、②HEK293細胞への導入、③LTBP-1組換えタンパク質の精製、④細胞遊走実験の順で研究を行う予定である。昨年までに②まで実験を進めることができた。①LTBP-1を構成するアミノ酸それぞれ1-872、873-1328、1329-1721までを組換え体として発現用ベクターに挿入するためにプライマーを設計し、PCRによりLTBP-1cDNAから遺伝子を増幅後、タンパク質発現用ベクターに挿入した。シークエンスで配列を確認し、プラスミドを精製した。②組換えタンパク質を安定的に得るためにセルラインを確立した。リポフェクション法を用い、発現ベクターのマーカーに耐性を持つ細胞を継代培養し、形質転換細胞を作製した。 今年度はその続きを行い、③ウェスタンブロット法により精製した組み換えタンパク質の確認を試みたが、鮮明に検出することは出来なかった。また④の細胞遊走実験ではコントロールとなる組み換えヒト血小板由来増殖因子 ( PDGF-BB )の取り扱いについて未だ有効な保存方法が見つかっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、③LTBP-1組換えタンパク質の精製、④細胞遊走実験の順で研究を行う。 タンパク質の精製ではより多くのタンパク質を回収できるよう複数のカラムを用いて試す。また組み換えタンパク質が細胞外に分泌されていない場合には細胞を溶解し、その溶解液をカラムに通し、精製タンパク質を得る予定である。塩析や透析でタンパク質溶液の品質も向上させたいが実験進度状況により調整する。同時に、アッセイ系である細胞遊走実験を行い、再現性の高い実験となるように準備する。遊走能を調べるためのコントロールである組み換えヒト血小板由来増殖因子 ( PDGF-BB ) は、凍結融解の頻度や凍結保存時間により遊走能が著しく失活することが分かったが、問題解決には至っていない。製品を変えるなどして対応する予定である。以上から、細胞遊走に関わる部位を明らかにした後、それ以外の部位の細胞への動態を確認することで機能解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
オートクレーブの購入を予定していたが、購入を見送ったため予算が残っていた。しかし遊走実験で用いる組み換えタンパク質とフィルターが高額であり、予定以上に予算を使用しているので状況により購入を検討する。 また今年度の学会発表は状況を鑑み、不参加とした。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] A cross-sectional study on metabolic similarities and differences between inpatients with schizophrenia and those with mood disorders2020
Author(s)
Yoriyasu Uju, Tetsuto Kanzaki, Yuki Yamasaki, Tadayuki Kondo, Hideki Nanasawa, Yu Takeuchi, Yuta Yanagisawa, Shun Kusanishi, Chieko Nakano, Tetsuro Enomoto, Akahito Sako, Hidekazu Yanai, Shunichi Mishima, Seisuke Mimori, Kazuei Igarashi, Tsuyoshi Takizawa, Tatsuro Hayakawa
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Journal Title
Annals of General Psychiatry
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access