2022 Fiscal Year Research-status Report
分枝鎖アミノ酸を併用した運動療法が回復期リハ病棟入棟患者の能力改善に及ぼす影響
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19K20159
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
池田 崇 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (80783381)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分枝鎖アミノ酸 / 運動療法 / fast-track / 回復期リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
効率的な筋力増強の手法として分枝鎖アミノ酸(BCAA)と運動療法の併用の効果は近年注目を集めている。我々は整形外科分野を中心に併用効果を報告してきた。これを背景に回復期リハ病院に入院する患者に広く適応し、機能回復に寄与し得るのか明らかにすることを目的にBCAAを併用した運動療法の効果の実現可能性について研究を行った。方法は、リハビリテーションの実施直後に1日1回、BCAAもしくはプラセボのいずれか片方を1か月間摂取し、次の1か月間は残りの片方を摂取する無作為クロスオーバー比較試験を行い、筋力、筋量、身体機能に対する併用療法の効果を検討した。結果の大枠としては、筋肉の質を反映する筋輝度について、効果の再現性である実現可能性が確認できた。 2022年度に実施した研究実績として、主たる研究として①クロスオーバーの結果と②除外対象となった下肢免荷症例の報告を2022年10月に第10回日本運動器理学療法学術大会にて発表した。現在、論文を①クロスオーバーした全体についてをHealth Science Reportsで査読後の再投稿済、②主研究を除外対象となった下肢の免荷があった症例についての論文の執筆中である。クロスオーバー前に退院した症例を含む前半部分のRCTの解析の結果は、2023年10月に第10回日本運動器理学療法学術大会にて発表予定である。 副研究として行った、回復期リハ病院に入院している脳卒中患者を対象としたBCAAを朝食時もしくは午後のリハ直後のいずれかの摂取タイミングがより有効か についての研究は、2020年6月にNutrients: IF=4.52に論文が掲載された。 また、副研究に関連して、Elsevierで脳卒中患者のBCAA投与についてのBook Capterを執筆済で2023年に出版予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
イギリス政府の研究資金政策の変更があり、英連邦圏を中心としてアカデミアの活動が大幅に縮小されたため、論文投稿において、メールのレスポンスや査読に大幅に時間を要するケースが増加した。主論文の投稿1誌目のfirst decisionに7か月を要し、現在、2誌目の査読と修正投稿が済んだところである。副研究に関連する書籍も当初は2021年10月発行予定であったが、編集に時間を要し、現段階では本年夏ごろに発刊の見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
執筆する論文①-③の予定の内、①は査読中、②は執筆中で「日本運動器理学療法学」に症例報告として投稿予定である。③は学会登録中であるが、並行して論文執筆を行い2023年度中の掲載を目指す
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Causes of Carryover |
英連邦圏における論文査読の遅延により、APC相当額が次年度使用額として生じている。使用計画は、主論文の掲載に必要なAPCとして使用するが、日本円ー英ポンドの為替レートの情勢変化により、残金のみではAPCを賄いきれないため、学内研究費を充当する予定である。
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Research Products
(4 results)