2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K20161
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
井上 菜穂子 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (00509515)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 遅筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
カエル幼生の尾部骨格筋に発現する4000個のタンパク質のデータを得ることができ、それらを元にして、肥大系の観察を行った。前年度までの解析により、カエル幼生の尾部骨格筋は主に速筋で構成していること、また速筋・遅筋の細胞膜構成脂質であるホスファチジルコリンが分子マーカーとして作用することを明らかにした。そこで、本年度は質量分析イメージング及び次世代シーケンサーによる解析から、捕食者暴露によって変化するタンパク質及び脂質を調べた。まず、これまで薄切が難しかったカエル幼生の新規凍結切片作成法の確立に成功し、論文として発表を行った。また、これらの切片の解析を行ったところ、遅筋マーカーリン脂質及び遅筋関連タンパク質に変化がみられることを明らかにした。 遅筋は脂質代謝が優位に行われるため中性脂質の蓄積が認められるが、我々のモデルにおいても捕食者暴露群において中性脂質が増加することを明らかにすることができた。また、ウェスタンブロッティング及び免疫染色により、ミトコンドリア関連タンパク質の発現解析を行った。その結果、遅筋のマーカーであるMYH7や遅筋化を促すPGC1αが捕食者暴露によって筋線維で増加することを示した。またその際に、ミトコンドリアマーカーであるATP5aが有意に増加することも併せて確認することができた。以上のことから、我々の捕食者誘導型骨格筋肥大においては、遅筋化も同時に起こっていることを示すことができた。運動非依存的にこれらの表現型を促す要因について、今後解析していく必要がある。
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Research Products
(8 results)