2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K20163
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
石嶺 久子 藤田医科大学, 医学部, 助教 (90736737)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肥満 / 脂肪細胞 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満の中でも内臓脂肪型肥満とともに脂質代謝異常、高血圧、高血糖の症状を複数示すメタボリックシンドロームは慢性腎不全、運動器障害、うつ病や、命にかかわる脳梗塞、心筋梗塞のリスクを高める。つまり肥満を防ぐことで多くの疾病に対して予防的効果が期待される。しかし、肥満の解消にひとたび成功してもリバウンドしてしまうことが多々ある。肥満は食生活の乱れや運動不足が重なり、エネルギーの消費と貯蓄のバランスが乱れることにより生じるため、エネルギー消費を高めることで脂肪が過剰に蓄積することを防ぐことができる。本年度は脂肪の消費に着目して研究を行った。生体内のエネルギー消費を活性化させる器官として褐色脂肪組織がある。C57BL/6jマウスを高脂肪食継続負荷群、高脂肪食負荷期とコントロール食期を交互に繰り返す群(リバウンド群)、コントロール食群に分け、肥満リバウンド研究モデル系とした。これらマウスの随時血糖値を測定し、各群の褐色脂肪組織における遺伝子発現については次世代シークエンサーを用いて網羅的に解析し、同時に組織観察を行っている。また、肥満時に生じる細胞への過剰な脂肪滴の蓄積は脂肪組織に限ったことではなく異所性に発生する。その代表的な例が肝臓であるが、肝臓のみならず肥満を伴う糖尿病性腎症では腎糸球体内に存在する足細胞にも蓄積しており、糸球体のろ過機能低下に関与しているとの報告があるため、上記マウスにおいて腎組織の観察も行い病態への関与についても調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腸間膜白色脂肪組織の遺伝子発現データ解析に加え、褐色脂肪組織のin silico解析も追加し検討したため。
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Strategy for Future Research Activity |
リバウンド時に変動する因子の評価をすすめ、肥満を引き起こしやすい条件を確定し、in vivo実験に取り組む。
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Causes of Carryover |
学会参加の旅費を使用しなかったため、また、in silico 解析を継続したため。次年度は in silico解析結果を確認するための遺伝子工学実験、培養細胞実験、動物実験、成果発表の経費に使用する。
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