2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K20163
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
石嶺 久子 藤田医科大学, 医学部, 助教 (90736737)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肥満 / エネルギー代謝 / リバウンド |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満は過剰な脂肪が蓄積した状態であり、それ自体は疾患ではないが、直接または間接的に健康リスクをもたらす。肥満を解消するため減量してもその状態が継続せず、リバウンドすることを多くの人が経験している。 そこで本研究では、リバウンドしない健康的な体重制御法の確立を目標とし、脂肪細胞におけるエネルギー代謝機構の解明を目指すため、①高脂肪食継続負荷群(肥満群)、高脂肪食負荷期とコントロール食期を交互に繰り返す群(リバウンド群)、コントロール食群(対照群)からなるリバウンドマウス研究モデルを確立②上記モデルにおけるmRNA発現を網羅的に解析③上記モデルにおける健康状態の評価、を行った。 その結果①肥満後減量したマウスは継続して肥満状態にあるマウスと比較し、急激に体重が増加する、つまり、減量後は体重が増加しやすい状態になっていることがわかった。②リバウンドマウスにおいて輸送体タンパク質の細胞膜への移行抑制因子として報告のあるゴルジ装置のトランスゴルジ網に局在する因子の遺伝子の発現が上昇していることや、細胞分化に関与するRNA結合タンパク質の発現が低下していることがわかった。③上記モデルマウスの随時血糖値はいずれの群においても150~200 mg/dL程度を示し、16週間にわたる実験期間においては肥満やリバウンドが随時血糖値に与える影響は観察されなかった。 以上の研究により体重の変動に伴うエネルギー代謝に影響を及ぼすと考えられる因子を同定することができた。
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