2019 Fiscal Year Research-status Report
新しい定量的評価法を用いて浮腫発生における骨格筋ポンプ作用の影響を検討する研究
Project/Area Number |
19K20169
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
古後 晴基 西九州大学, リハビリテーション学部, 准教授 (90640821)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 浮腫 / 圧痕深度 / 皮膚微小循環血流 / 再灌流圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、むくみ(浮腫)発生の危険因子として、骨格筋収縮によるポンプ作用が影響していることを明らかにすることである。 具体的には、浮腫が認められる脳卒中患者を対象に、足の背部(麻痺側および非麻痺側)の圧痕の深さ、皮膚の微小循環血流、および再灌流の血圧を評価する項目として、約2秒間に足を上げ下げする速さで10分間、筋の収縮運動を行わせ、運動前後を横断的に調査する研究である。さらに、浮腫が認められる脳卒中患者を、筋の収縮運動を実施する群と通常の運動メニューを行う対照群の2群に分けて、筋の収縮運動群には10分間/1日、5日間/週、1ヶ月間の筋収縮運動を行わせて、1ヶ月後・2ヶ月後・3ヶ月後を縦断的に調査する研究である。 研究の流れは、2019年度が筋の収縮運動前(安静時)の麻痺側と非麻痺側の浮腫程度の違いを検証すること。さらに、筋の収縮運動による浮腫の変化を検証することである。2020年度は筋の収縮運動の持続効果に関して、筋収縮運動群と通常メニュー群との違いを検証することである。また、2021年度は筋収縮運動群における麻痺側と非麻痺側の持続効果の違いを検証することである。 2019年度の研究実績は、A病院に入院している浮腫が認められる脳卒中患者を対象に、横断的に調査することができた。足の背部の圧痕の深さ、皮膚の微小循環血流、および再灌流の血圧を横断的を測定した。A病院より収集した横断的調査データを分析し、浮腫の圧痕の深さにおいて、麻痺側と非麻痺側の違いが明らかとなり、その結果を公表するために論文投稿し採択され、現在印刷待ちの状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度中にデータ収集施設をB病院に移行したかったが、縦断的調査でもあるため現在もA病院で継続的にデータを収集している。 しかしながら、途中経過までに得られた横断的調査データを分析し、浮腫の圧痕の深さに関して、麻痺側と非麻痺側に違いがあることが明らかとなり、その結果を公表するために論文投稿し採択され、現在印刷待ちの状況であることから、おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、データ収集施設をB病院に移行し、A・Bの病院から得られた横断的調査データから、筋の収縮運動による即時効果を検証し、得られた結果を公表していく予定である。 また、A・B病院の縦断的調査データが集まり次第、筋収縮運動の持続効果も検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 旅費、人件費・謝金が予想以上にかからなかったため。 (使用計画) 翌年度は、学会発表旅費や論文投稿・掲載料への経費が増加すると予測されるため、これらの使用、または研究協力者への謝金に使用する計画である。
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