2021 Fiscal Year Annual Research Report
腸管腔内ポリアミンのインスリン分泌機序の解明 糖尿病予防へのアプローチを目指して
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19K20173
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Research Institution | Kyodo Milk Industry Co., Ltd. |
Principal Investigator |
生田 かよ 協同乳業株式会社研究所, 研究所, 研究員 (10836232)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ポリアミン / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満や糖尿病患者では病態進行とともに腸内環境が悪化する。腸内細菌由来のポリアミンは寿命延伸や腸管上皮細胞の健全化、記憶学習改善、また肥満患者で見られるFirmicutes /Bacteroidetes比率を是正することが報告されている。本研究では、糖尿病モデルマウスへポリアミン合成腸内細菌を定着させ、菌叢改善による病態進行への影響を検討した。ポリアミン合成腸内細菌定着群では、糖代謝の著しい改善が見られ、インスリン分泌指数も是正傾向を示した。また大腸内でポリアミン濃度が上昇するタイミングで経口グルコース試験により糖代謝を検討したところ、腸内細菌溶解液を単回投与したマウスでも同様に一時的に耐糖能が改善することが明らかとなった。網羅的遺伝子発現と空間情報を統合させた空間トランスクリプトーム解析を行い、大腸内ポリアミン濃度上昇と糖代謝改善を結びつけるターゲット遺伝子の選定を実施した。これらにより糖尿病への進行予防アプローチとしての腸内細菌由来ポリアミンの有効性の解明へと繋げる。
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