2020 Fiscal Year Research-status Report
勤労者の身体活動実践と健康増進を支援するIoTシステムの開発
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19K20177
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
志村 広子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任研究員 (60626521)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 身体活動 / 座位行動 / 心身の健康 / 勤労者 / mobile health (mHealth) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、心身の健康問題に対し早急な対策が求められている勤労者を対象とし、IoTデバイスを活用した身体活動実践と健康増進を支援するシステムを開発することである。 2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により新規調査の実施が困難であったため、(1)取得済みデータの詳細な分析と、(2)オンライン運動プログラムによる介入の方法についての検討を行なった。 (1)については、日常生活下における反復・連続測定で得られた抑うつ気分と身体活動のデータの分析を行なった。両者の間に負の関係が見られたことを確認し、この関係が個人の心理特性(ベースラインの抑うつ特性)によって変わり得るのかを検討したが、心理特性による影響は見られなかった。 (2)については、オンライン運動プログラムの開発とそのテストを行い、実行可能性について検討した。新型コロナウイルス感染症の影響で在宅勤務が奨励されたことは、勤労者のライフスタイルに急激かつ大きな影響を与えた。通勤時や勤務中の身体活動が減少し、デスクワークに適した机や椅子が自宅に無いことなどから、肩凝りや腰痛などの不調を訴える人は少なくない。また、感染に対する不安から、運動施設を利用しづらくなっている人もいる。そこで、家の中でできる、健康増進を目的としたプログラムを開発し、在宅学習や在宅勤務をしている大学生 、大学院生、および大学職員を対象として定期的にオンライン指導を行なうことで、介入の実行可能性について検討した。筋力トレーニング、低強度のエアロビックダンス、ストレッチ、リラクゼーション等は、指導方法を工夫すれば家の中でも安全かつ効果的に行なうことができ、身体活動に対するモチベーションを高めるのに有効であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画していた調査を実施できなかった。しかしその一方で、オンライン運動プログラムによる介入の手法を短期間で確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では、オンラインでの運動指導による介入は想定していなかった。しかしながら、この一年でオンラインフィットネス等のサービスが急速に普及したことからも分かるように、その需要は社会的に高まっている。身体活動不足を解消する手段として、オンライン運動プログラムの提供や、プログラムへの参加を促す形での介入も取り入れたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、新規調査の実施が困難であった。取得済みデータの分析や、オンライン運動プログラムの開発およびテストを中心に行なったため、調査協力者への謝金等が残る形となった。未使用分は今後最大限活用したい。
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Research Products
(1 results)