2021 Fiscal Year Research-status Report
勤労者の身体活動実践と健康増進を支援するIoTシステムの開発
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19K20177
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
志村 広子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任研究員 (60626521)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 身体活動 / 座位行動 / 心身の健康 / 勤労者 / mobile health (mHealth) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、心身の健康問題に対し早急な対策が求められている勤労者を対象とし、IoTデバイスを活用した身体活動実践と健康増進を支援するシステムを開発することである。 2021年度は、個人所有のスマートフォンと、コミュニケーションプラットフォームを活用した双方向型のオンライン運動プログラム(全12回)を開発し、実行可能性について検討した。Web会議システムを活用した週1回の集団指導と、個々の参加者が自宅周辺でウォーキングを行う実技課題を組み合わせたもので、屋外で一人でも運動できることから、新型コロナウイルス感染症パンデミック下であっても感染リスクが比較的低い環境で全身を動かすことができるのが強みである。 若年成人42名を対象として運動プログラムによる介入を実施したところ、安全上の問題は報告されず、スマートフォンの利用(歩数や心拍数の計測)やコミュニケーションプラットフォームの利用(Web会議の実施、資料の共有、連絡事項の伝達、回答フォームによる実技課題の報告、チャットによる質疑応答等)に関する運営上の大きな問題は指摘されなかった。「いつまでに、どのぐらい、どのように歩く」という具体的な実技課題を出した場合には、全体の平均で見ると1回あたり約5,900歩(約55分)のウォーキングが実践された。一方、目標設定を個人に任せてウォーキングの実践を促した場合、降水量の多い時期は特に、その目標を達成できないことも少なくなかった。 オンライン運動プログラムは従来の対面指導による方法に取って代わるものではなく、通える場所で運動教室が開かれていない場合や、開かれていても都合が合わない場合等、参加したくても参加する機会が無い人にとっては新たな選択肢となり得るものである。その時の個人、社会、環境等の状況に合わせた最適な方法で身体活動の実践を促す、より良い仕組みを整えていくことが今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個人所有のスマートフォン等を活用し、屋外でのウォーキングの実践を支援する双方向型のオンライン運動プログラムを開発できた。
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Strategy for Future Research Activity |
リストバンド型活動計を活用した介入手法の開発と実証実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、現地での学会参加や調査の実施が困難で、旅費や調査協力者への謝金等が残る形となった。未使用分は今後最大限活用したい。
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Research Products
(2 results)