2023 Fiscal Year Annual Research Report
勤労者の身体活動実践と健康増進を支援するIoTシステムの開発
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19K20177
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
志村 広子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60626521)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 身体活動 / 座位行動 / 心身の健康 / 勤労者 / mobile health (mHealth) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、心身の健康問題に対し早急な対策が求められている勤労者を対象とし、IoTデバイス(インターネットに接続可能な機器; IoTはInternet of Thingsの略)を活用した身体活動実践と健康増進を支援するシステムを開発することであった。通信機能付きリストバンド型活動計から得られたデータを、個人のスマートフォンにインストールされた専用アプリを介して自動的にサーバに送信し、取得したデータをもとに個人の身体活動の状況を定量的にアプリで可視化できるシステムを構成した。 2023年度は、昨年度開始した実証実験を引き続き行った。130名を対象とした実証実験を完了させ、順次データ解析と成果公開を進めていく段階に到達した。実証実験は、事前のアンケート調査、約1週間の日常生活下調査(機器装着)、事後のアンケート調査の3つの調査で構成された。機器装着期間中は、リストバンド型活動計の他、研究用に開発された他社製デバイスを同時装着し、身体活動関連のデータを取得した。 身体活動関連のデータについて、リストバンド型活動計と研究用に開発されたデバイスとの出力を比べたところ、前者は歩数を過小に、中等度以上の身体活動を過大に評価する傾向が明らかになった。このことから、本活動計を用いて身体活動不足を検知し、介入を行う際には、調整されたカットオフ値を設定する必要があることが示唆された。また、実証実験の結果、データ送信がうまくいかなかった例が確認された。装着者本人による誤操作(活動計についているボタンを不必要に押してしまう、誤って電源を切ってしまう等)や、何らかの通信エラーが生じたことが推測された。
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