2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢者における不眠予防および改善に資する至適生活習慣と運動処方の症状別検討
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19K20193
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
守田 優子 東京理科大学, 理工学部教養, 嘱託特別講師 (50710068)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 不眠症 / 睡眠 / 身体活動 / 運動 / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
不眠症は高齢者に多い睡眠障害だが、二次的に心身の健康を損ねる可能性があるため、その予防と改善は高齢者の健康状態の維持・増進において極めて重要である。高齢者における不眠の発現には、生活習慣が大きいと考えられているが、それらと不眠症タイプとの関連についての詳細は明らかでない。本研究の目的は、①高齢者の睡眠と生活に関する大規模な疫学調査を実施し、不眠症状別に生活習慣との関連を明らかにする。また、症状別に不眠予防に資する身体活動量の基準値を決定する。さらに、②不眠の愁訴を有し、運動習慣のない高齢者に対して長期的な朝または夕方の運動介入研究を実施し、症状別の効果を検討する。最終的に、不眠予防および改善に資する至適生活習慣と運動の指針を不眠症状別に提案する。 2019年度は、高齢者の睡眠と生活に関する疫学調査を進めた。調査票を作成し、柏市の健康増進グループに所属する高齢者を対象に不眠症のセミナーを実施し、同意を得た参加者40名を対象に事前質問紙調査を行った。その結果をもとに、質問項目を精査した。調査項目は、人口統計学データおよびライフスタイルに関する質問と、国際標準化身体活動質問票(IPAQ)、SF-8(健康関連QOL尺度)、アテネ不眠尺度(AIS)とした。一方で、質問紙調査後に実施する運動介入研究で使用する睡眠記録のデバイスについて多数検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年3月に高齢者を対象に不眠症状と身体活動量の大規模疫学調査を実施予定であったが、新型コロナウィルス感染の拡大により、社会的に高齢者の身体活動が制限される事態となった。このような状況下で調査を実施しても、得られるデータは非日常的な睡眠状態および身体活動量であると考えられるため、調査を延期せざるを得ないと判断した。今後も、新型コロナウィルスの終息を待って、疫学調査その後に介入研究を実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、新型コロナウィルス感染の終息して1ヶ月以上たった後に、不眠症状と身体活動量の疫学調査を実施する。東京理科大学野田キャンパス周辺の野田市、流山市、柏市の地域在住高齢者を対象にアンケート用紙を郵送にて配布・回収する予定であったが、大幅な遅れからインターネット調査に変更する。疫学調査のデータ回収及び解析が終了後、その結果をもとに、不眠を有する高齢者を募集し、運動介入実験を実施する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた大きな理由としては、新型コロナウイルス感染の拡大の影響を受け質問紙調査の実施を延期したことによる、質問紙票の印刷代および郵送代を使用しなかったことがあげられる。また、研究者自身の体調不良により、予定していた国際学会についても参加を断念したため、旅費として計上していた額を使用することができなかった。これらについては、研究の遅れを取り戻すために実施するインターネット調査の費用と今年度の国際学会の費用に振り替える。
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