2019 Fiscal Year Research-status Report
Insulin-like growth factor-1 and lipoprotein profile in small for gestational age mouse model
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19K20194
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
長野 伸彦 日本大学, 医学部, 准教授 (90794701)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 子宮内虚血マウスモデル / 不当軽量児 / 体組成 / 空腹時血糖値 / メタボリック症候群 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 子宮内虚血マウスモデル作製-妊娠しているICR系統のマウスを用いて、妊娠16.5日にイソフルラン吸入麻酔下(導入5%、維持2%)に下腹部を切開する。子宮動脈を露出し、胎仔マウスを傷つけないようにクリップで子宮動脈の血流を15分間遮断する。その後、子宮動脈のクリップを外して胎仔を母親マウスの腹腔内に還納し、下腹部を縫合する。母親マウスをホットプレートで37.5℃に温める。非虚血群として、同様の麻酔と下腹部切開を加えた妊娠16.5日のマウスをコントロール群とする。→子宮内虚血マウスモデルの作製に成功した。 2) 出生したマウスを用いた検討-その後、妊娠19日に出生した新生仔マウスをオス、メス、虚血群、非虚血群の4群に分類し、連日体重計測を行う。8週齢の体重測定後、イソフルランで吸入麻酔を行い、腹囲、身長測定後に、心臓より全採血、膀胱より採尿を行い、その後臓器(腎臓、肝臓、脳)を摘出する。生活習慣病に関連する蛋白質・RNA解析そして病理組織学的解析を行う。血液、尿サンプルを用いて、糖代謝、脂質代謝に関する生化学的検査を行う。糖代謝に関しては、血糖、インスリン、コルチゾール等の測定を行う。→虚血群の雌がコントロール群の雌と比較して、8週齢の時の体重が少ないにも関わらず体組成で脂肪量が多く、空腹時血糖値が高いことを発見した。 3)新生仔期に高脂肪食を暴露したSmall-for-gestational ageマウスの表現型解析-離乳後(約生後4週)から成獣(約生後8週)まで直接高脂肪食を摂取させ、非虚血群をコントロールとし比較検討する。→高脂肪食を与えると虚血群の雌がコントロール群の雌と比較して、8週齢の時の体組成で脂肪量が多く、空腹時血糖値がより高いことを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子宮内虚血マウスモデル作製には成功した。出生したマウスを用いた検討と新生仔期に高脂肪食を暴露したSmall-for-gestational age(SGA)マウスの表現型解析については、虚血群の雌がコントロール群の雌と比較して、普通食であると8週齢の時の体重が少ないにも関わらず体組成で脂肪量が多く、空腹時血糖値が高いことを発見し、高脂肪食を与えると虚血群の雌がコントロール群の雌と比較して、8週齢の時の体組成で脂肪量が多く、空腹時血糖値がより高いことを発見した。今後、肝臓や腎臓、脂肪組織について生活習慣病に関連する蛋白質・RNA解析を行う予定である。ヒトSGA児血液検体を用いた検討については、現在検体の集積を行っている。モデルマウスで得られた結果を含めて、ヒトSGA児でもモデルマウスと同様の測定結果が得られるかAGA児と比較検討を行う予定である。おおむね研究計画書通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、再現実験を行う事と統計学的な解析を進めていく。また、肝臓や腎臓、脂肪組織について生活習慣病に関連する蛋白質・RNA解析を進めていく。その中で、糖代謝に影響している因子を明らかにする。その後、SGAモデルマウスで得られた結果を用いて、ヒトSGA児でもモデルマウスと同様の測定結果が得られるかAGA児と比較検討を行う。これにより患児の生活習慣病に対するリスクを早期に予測できることが期待される。
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Research Products
(1 results)