2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K20200
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
安彦 鉄平 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (80708131)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腰痛 / 骨格筋量 / 筋力 / 体幹筋量 / 心理的要因 / 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,胸背部の運動器疾患入院患者を対象に,Functional Independece Measure(以下,FIM)の改善に影響する筋肉量,運動機能および疼痛に関連した心理社会的要因について明らかにすることとした. 対象は,腰背部の運動器疾患患者30名(平均年齢76.8±7.0歳,男性8名,女性22名)とした.評価項目として,日常生活動作能力の評価はFIM,運動機能の評価は握力,膝伸展筋力,片脚立位保持時間,6分間歩行距離,30秒立ち上がりテストを計測した.筋肉量の計測は,体組成計(InBody S10,InBody Japan社製)を使用し,全身筋肉量,上肢筋肉量,体幹筋肉量,下肢筋肉量,体脂肪量,Skeletal muscle Mass Indexを測定した.疼痛に関して,疼痛の強さはVAS,心理社会的要因として腰痛による運動恐怖感(FABQ),破局的思考(PCS),患者立脚型の健康関連QOL(RDQ),不安・抑うつ(HADS)を調査した.すべての評価項目は,入院時および退院時に評価した.統計学的解析は,運動FIMの利得の影響因子について,運動FIMの利得を従属変数,有意な相関が認められた項目を独立変数として,重回帰分析を用いて分析した. 重回帰分析の結果,運動FIM利得の影響因子は,体幹筋肉量利得,VAS利得であった.胸腰椎の脊椎疾患を有する高齢の入院患者において,体幹の筋肉量を増加させ,疼痛を軽減することで,運動FIMが改善することが明らかになった.また,入院患者の運動FIM利得と疼痛に関連した心理社会的要因の利得との関連性は認められなかった.以上のことから,急性痛に対する物理療法や徒手理学療法と,体幹筋を中心とした筋力増強トレーニングや立ち上がり動作などが高齢の脊椎疾患の運動FIMの改善に有用であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による地域住民を対象とした介入研究が十分に実施できていない.また,入院患者においても研究協力施設での研究活動の一時停止によって,対象者数が十分とは言えない.今後,可能な範囲で介入研究を進めていく.
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Strategy for Future Research Activity |
4月の時点で,コロナ第4波の影響により地域住民を対象とした介入研究の実施は難しくなっている.そのため,今年度は入院患者を対象とした介入研究を中心に実施する.また,研究協力施設の追加を行い,筋特性に応じた介入研究を行う予定である.今年度中に介入研究を行い,成果をまとめたい.
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Causes of Carryover |
COVID-19による研究活動の停止によって,物品の購入を見合わせ,さらに研究協力施設への旅費が発生しなかったため.
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Research Products
(1 results)