2020 Fiscal Year Research-status Report
口腔環境・咀嚼に影響を及ぼす食生活・遺伝要因の検討~食育プログラムの応用に向けて
Project/Area Number |
19K20202
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
今井 里佳 西九州大学, 健康栄養学部, 講師 (10795107)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔環境評価 / 咀嚼能定量化 / 遺伝的要因 / 口腔機能の維持・向上 / 食育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、口腔機能の維持・向上のための食育プログラムへの応用を目指すものである。口腔環境には、咀嚼筋などの筋力が関与する可能性が報告されていることから、口腔環境に影響を及ぼす因子として咀嚼力や食生活の他、筋肉体質や運動能力に関する遺伝的要因との関連についても検討を行う。
2020年度(本年)は、①口腔環境と筋肉体質や運動能力に関する遺伝的要因に関する検討、②昨年度に若年成人を対象に構築した研究プロブラム<口腔環境(咀嚼力を含む)の定量化,食生活に関する調査>を基に、高齢者にも同様の調査を行い、ライフステージにおける違いについて解析の予定であった。しかしながら、COVID-19の影響により高齢者を対象とした調査が困難(中止)となった他、本年度は感染予防対策の構築に時間を要し、数名の若年成人を対象とした測定調査および遺伝的要因に関する検討に留まった。 本被験者では、8割にあたる者が歯や口について悩みを持っており、昨年度の結果と一致した。口腔環境に関しては昨年度と比較し良好であったが、咀嚼力には有意な差は認められなかった。本被験者における口腔環境が良好であった要因には、口腔の手入れ状況の寄与が示唆された。 遺伝的要因との検討においては、運動能力に関与するある1因子において測定値にばらつきが少なく、かつ口腔環境においても良い傾向を示したが、データ数が乏しく統計学的な検討には至らなかった。運動能力の違いは筋力トレーニング効果にも影響することから、口腔の健康維持・向上のためのプログラム作りには重要な観点であると考える。故に、遺伝的要因についてのさらなる探求とともに、高齢者に関するデータ解析のためにも次年度への延長を希望した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響により感染予防対策の構築に時間を要した他、集団での調査実施や高齢者を対象とした調査が困難となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に感染予防対策がある程度構築されたことから、若年成人の被験者数データを増やし遺伝的要因への探求に取り組む。また、高齢者のデータ収集に向けての準備も進めている。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、集団での調査実施や高齢者を対象とした調査が困難となったため、その予算が未使用となった。 2020年度に感染予防対策がある程度構築されたことから、本年度未使用となった予算を基に、高齢者のデータ解析をはじめ、被験者数データの拡充や遺伝的要因への探求に取り組む予定である。
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