2019 Fiscal Year Research-status Report
白血球シングルセル・トランスクリプトーム解析による高精度な食品機能性評価系の確立
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19K20206
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
野原 正勝 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (70649996)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 白血球分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は免疫担当細胞である白血球に着目し,ヒト血液を用いた遺伝子発現解析により食品または食品の成分が生体にもたらす効果(食品の機能性)を高精度に評価するための評価系の確立を目的としている。評価系の確立のためにヒトから血液を採取して検討することは非常に困難であることから,本研究ではマウス血液を用いて検討を行う。本年度はマウス血液からの白血球分離条件の検討を行った。細胞保存試薬と混和したマウス血液について,赤血球凝集試薬,2種類の密度勾配分離試薬,溶血試薬を用いた白血球分離の条件検討の結果,1種類の密度勾配分離試薬と溶血試薬において血液から白血球を分離することが可能であることが明らかとなった。また分離した白血球懸濁液に残存する多量の血小板除去の検討を行った結果,ほぼ白血球で構成される細胞懸濁液を得ることに成功した。ここで得られた白血球から抽出したRNAについて品質の評価を行って分離条件を決定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は白血球のシングルセル化の検討までを予定していたが,本年度は前所属より異動した初年度であり,研究環境の整備から始める必要があった。さらに年度末は新型コロナウイルス感染症の流行により,動物を用いた研究規模を縮小したことで当初予定よりも遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,前年度に実施したマウス血液からの白血球分離条件検討と分離した白血球から残存する血小板を除去する方法の検討を継続する。そこで得られる白血球からRNAを抽出して品質の評価を行い,抽出したRNAの品質が高い分離条件を選択する。最適化した条件で分離した白血球のシングルセル化の条件検討と行動解析によって変化が検出されている飼育条件の違いがマウス白血球の遺伝子発現に及ぼす影響の評価実験を開始し,得られるシングルセルについて次世代シーケンシング解析を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は白血球のシングルセル化の際に必要となる消耗品の支出と最も費用のかかる次世代シーケンシング列解析を行わなかった。次年度は翌年度分として請求した助成金と合わせて,白血球のシングルセル化と次世代シーケンシング解析を行う。
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