2020 Fiscal Year Research-status Report
腸内細菌叢を介した報酬系摂食調節に有効な食物繊維処方の開発
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19K20207
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
小西 可奈 東洋大学, 食環境科学部, 助教 (40822185)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 摂食行動 / 食欲 / 食物繊維 / 抑制機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
イヌリン含有飲料の単回摂取が摂食行動及び食欲に及ぼす影響を検討することを目的とした。成人男女20名を対象に、イヌリン10gを含む飲料(400mL)を摂取する条件(INF)、あるいはプラセボを同量摂取する条件(CON)をランダムクロスオーバーで実施した。2条件の測定は5日間以上の間隔を空けて行った。飲料摂取前と飲料摂取210分後にストループテスト及びFood-related Attention Network Test(ANT)を行い、認知・実行機能を評価した。ANTでは、プライミング刺激として食品と文具の画像を用い、その後に呈示される矢印の向きを回答させ、食に関連する抑制機能を評価した。また、飲料摂取の210分後に昼食としてスパゲティを提供し、自由摂食で完食した重量を測定した。その他に呼気中の水素濃度及びメタン濃度や血糖値、気分を飲料摂取前と摂取後210分まで30分~60分毎に評価した。二元配置分散分析を用いて、交互作用(飲料×時間)及び主効果を検討した。その後検定には、Bonferroni法を用いた。対応のあるt検定によって、食事摂取量の群間比較を行った。 ストループテストの正答率に有意な交互作用が認められ、CON条件で飲料摂取210分後に有意な低下が認められたが、INF条件では変化しなかった。ANTについては現在データを解析中である。呼気水素濃度に有意な交互作用が見られ、INF条件では時間経過に伴い有意に上昇したが、CON条件では有意な変化は認められなかった。昼食の摂取量はINF条件でCON条件よりも有意に低値を示した。 以上のことから、イヌリンを含む飲料の単回摂取は、認知機能や食欲に影響を与えることが示された。今後はさらにデータの解析を行い、論文作成を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度計画していた実験を実施することができた。現在、データ解析、論文作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の通り、介入研究を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会での研究成果の発表を延期した。
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Research Products
(3 results)