2020 Fiscal Year Research-status Report
超平面を用いたPAC学習理論へのモデル論的アプローチ
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19K20209
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹内 耕太 筑波大学, 数理物質系, 助教 (50722485)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Ramsey property / independent property / random graph |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はindependentなstrict order propertyの個数に関する昨年度の研究内容を基にした論文を出版した。また、新しくラムゼイクラスの組み合わせ論について研究を行った。 ラムゼイクラスの代表例としては(順序)有限グラフあるいは(順序)ランダムグラフがあげられ、これらはVC次元と等価なindependent propertyの本質的な例になっている。本研究における超平面を用いたVC次元の研究は、従来ではランダムグラフにおいて考えていた二変数の関係がもつ性質を、ハイパーランダムグラフにおける三変数(以上の)関係で考えることに対応している。 従来の無限ラムゼイ構造に関する研究では二変数関係を主に扱っており、その場合にはある種の順序構造が本質的な役割を果たすことが知られていた。 本研究では3変数以上の関係を含むクラスでは2変数の時と比べて異なった構造を考える必要があり、ラムゼイの定理を成立させるのにはある種の木構造を考える必要があることを示した。しかし、これが十分条件であると予想しているがそれが正しいかどうかの証明はまだ得られていない。これらの研究結果は、ある程度まとまった段階で今後論文として発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は当初予定していた研究内容とは異なる視点から、組み合わせ論的研究成果が得られた。これらがVC次元の一般化にどのような示唆を導くかはまだ未知数の部分が多いが、新たな研究の方向性を示すものとも考えられる。また、組み合わせ論におけるラムゼイ理論の発展を促す研究になると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
3変数以上の関係に関する組み合わせ論的性質をVCn-次元の組み合わせ論的性質に還元し、PACn学習理論との対応関係を分析していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの収束の目途が立たないため、予定していた学会・研究会参加や研究打ち合わせの現地開催が困難になったため。今後はオンライン化を前提とし、オンライン会議を開くための予算として積極的に設備の拡充を進める。
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