2022 Fiscal Year Research-status Report
超平面を用いたPAC学習理論へのモデル論的アプローチ
Project/Area Number |
19K20209
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹内 耕太 筑波大学, 数理物質系, 助教 (50722485)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | continuous logic / structural Ramsey theory / Indivisible / Metric structure |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は前年度に引き続き連続論理とラムゼイ理論のつながりを深く研究するために、ウリゾーン普遍距離空間を題材にindivisibilityとよばれる性質について調べた。indivisibleとは、頂点集合を有限個のグループに分割したときに必ずあるグループに自分自身と同型な構造を埋め込めることを言う。これは無限ラムゼイ理論の一番簡単なバージョンと考えることができる。ウリゾーン普遍距離空間はこの性質を持つが、それ以外にも古典的に知られているラムゼイクラスに対応する無限構造もこの性質を持つことが多い。そこで、indivisibleであることの十分条件として様々な例を包含するような応用のしやすい命題を整理し、具体的な例のindivisibilityが同じ方法で統一的に証明できることを示した。これらの結果はRIMS model theory workshopやModel theory spring workshop, Tokyo Model Theory Seminarなどの国内のモデル理論研究集会で口頭発表し、講究録にまとめた。しかし、この方法はまだウリゾーン普遍空間に適用することができる形ではないため、距離空間でも通用する形に拡張することが必要である。ウリゾーン普遍空間におけるindivisibilityはSauerらがすでに証明しているものの、その証明は離散的な構造への還元を基本的なアイデアとするものであり、距離空間を直接的に扱う手法としては面白くない。これを連続論理のアイデアを用いてアプローチできないかを考えたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍での制限により研究が遅れていたが、対面での活動が可能になってきたことにより遅れを取り戻しつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き連続論理(距離構造)のラムゼイ理論を構築していく。とくにウリゾーン普遍空間におけるindivisibilityはSauerらがすでに証明しているものの、その証明は離散的な構造への還元を基本的なアイデアとするものであり、距離空間を直接的に扱う手法としては面白くない。これを連続論理のアイデアを用いてアプローチできないかを考えたい。 また連続論理のモデル理論を学習理論に適用する道具となる、NIPな構造における組み合わせ論的な性質を明らかにしていく。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍の移動制限によりで2021年度以前に計画していた研究が進まず、その分の予算が繰り越されていた。2023年度に研究計画を延長したので、この一年で遅れていた研究発表や学会参加への支出に使用する。
|