2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of a new application of sparse modeling to an abonormality itself
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19K20224
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| Research Institution | Teikyo University |
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Principal Investigator |
小林 靖之 帝京大学, 理工学部, 准教授 (00604513)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | スパースモデリング / 異常度に対するスパース化 / マハラノビス距離 / 数値計算上の安定条件 / 正則化係数 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
①スパース化した標本マハラノビス距離モデルとその数値安定条件の提案・証明
提案済みのStudent化主成分ベクトルをCoordinate Descent法を用いたスパース化した標本マハラノビスのモデルについて数値安定条件を求めるに当り、スパース化で除かれる母固有値0の標本主成分が使用する計算機の浮動小数点演算による丸め誤差の影響を受けることを見出したので、浮動小数点演算による丸め誤差の影響を受けた母固有値0の標本主成分モデルの検討を続けている。令和2年度の提案モデルの査読から丸め誤差の発生する数値計算モデルの精緻化が必要と分かり、統計学的知見に加えて数値解析的な検討を進めている。また、母固有値が0値の標本主成分モデルが正値の母固有値の標本主成分とどのように異なるのか明らかにするため、0値ではなく一般的な正値の母固有値の標本主成分について標本固有値・ベクトルのバラツキを考慮した精確な標本主成分モデルを考案した論文を投稿中である。
②スパース化した異常度における数値実験不要な正則化係数ρの決定法の提案
浮動小数点演算による丸め誤差の影響を受けた母固有値0が微小正値の標本固有値になるため、上記①で得た丸め誤差の発生する数値計算モデルの精緻化の検討と同時に、母固有値0の標本固有値の分布モデルを改良している。さらに、複数の母固有値0を含む共分散行列では母固有値0に相当する標本固有値が異なる値を取ることが知られており、等しい母固有値が異なる標本固有値を取る現象をモデル化するためにランダム行列理論の知見を反映したモデルを検討中である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究がやや遅れている理由を以下に説明する。
令和2年から発生した新型コロナウイルスの流行拡大に伴い、勤務大学におけるオンライン授業への対応や所属学科での教務委員業務のため、本研究への取組みを後回しにせざるを得なかった。さらに、研究成果を発表予定していた国際会議が中止となり発表を諦めた。さらに国内学会もオンライン開催となり、オンライン用のポスター発表準備などの不慣れな作業のために国内学会でも発表が大幅に遅れた。そして、新型コロナウイルスの流行拡大が世界や日本中に広がり、海外渡航や国内出張を自粛せざるを得なかった。
また、研究内容に関連して以下に補足説明する。
令和2年度に投稿した、浮動小数点演算による丸め誤差の影響を受けた母固有値0の標本主成分モデルについて、新型コロナウイルスの流行拡大のために約半年の査読期間を要してしまい研究へのフィードバックが遅れた。さらに、この論文の査読者からコメントがあり、提案モデルは現象をよく表現するものの、丸め誤差の発生原因の考察が不十分として論文が却下されたため、当初の目論見よりも数値解析の専門的な考察を深く要することが明らかになった。また、上記の査読結果を受ける前、この論文を数理統計学を扱う多くの論文誌に投稿し続けたが、取り扱い内容ではない、または査読者が見つからないとして即時却下を繰り返し受けていたので、適切な投稿先がなかなか見つからず、投稿先を変えるたびに論文の体裁を修正し続けていたことも進捗遅れの原因の１つとなった。
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| Strategy for Future Research Activity |
①スパース化した標本マハラノビス距離モデルとその数値安定条件の提案・証明
浮動小数点演算による丸め誤差の影響を受けた母固有値0の標本主成分モデルについて、丸め誤差の発生原因の考察を充実させるため数値解析の専門的な考察を進めている。0値ではなく一般的な正値の母固有値の標本主成分について標本固有値・ベクトルのバラツキを考慮した精確な標本主成分モデルを考案した論文を令和3年1月末から投稿中であるので、その査読結果を①の目的とする母固有値が0値の標本主成分モデルへ反映して精緻化を進める予定である。これらモデルとCoordinate Descent法以外の計算アルゴリズムを導入した比較により数値安定条件を示す計画である。
②スパース化した異常度における数値実験不要な正則化係数ρの決定法の提案
上記①の投稿論文への査読結果を受けて数値解析上の知見を盛り込んで母固有値0の標本固有値の分布モデルを改良していて、数値シミュレーションとよく合う結果を得つつある。問題として数値解析上の考察を充実し、論文での定理推論に抜けが無いように一層厳密に考察する必要がある。さらに、スパース化を要するデータでは、その共分散行列が持つ複数の母固有値が0であることが多いため、考察中である母固有値0が単数のモデルを拡張する必要があると分かった。そこで、複数の等しい母固有値をもつ標本共分散行列を取り扱うランダム行列理論の書籍や論文を調査し、調査して得たモデルの妥当性を数値シミュレーションで確認しながら、本研究への反映法を検討している。ランダム行列理論を元に、一般的な正値の母固有値が等しい場合の近似分布モデルを考案し数値シミュレーションと良く合う結果を得ているので、一般的な正値の母固有値が等しくない場合、さらに母固有値が0値である場合に近似分布モデルを拡張し、正則化係数ρの決定法を示す計画である。
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| Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は次の通りである。新型コロナウイルスの世界的な流行拡大により、予定していた国際会議や国内学会への出席を見送ったこと、さらに勤務大学の新型コロナウイルス対応（担当授業のオンライン実施）により本研究の進捗が遅れたこと、令和2年度の投稿論文の査読期間が新型コロナウイルスの世界的な流行拡大により長期化して、査読を踏まえた研究の改良が遅れたことである。
次年度使用額は令和3年度に充当する計画である。これまでの研究で見出した成果を改良し磨き上げ、英文論文誌へ投稿するための英文校正費や論文投稿費、さらに国内学会で発表するための学会参加費や旅費に充当する予定である。
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Research Products
(1 results)
