マーク付き点過程データ解析手法の構築とその応用

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K20228
• Research Institution: Toyo University
• Principal Investigator: 原口 佳織 (黒田佳織) 東洋大学, 情報連携学部, 助教 (70736397)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: マーク付き点過程 / SPIKE-distance / ネットワーク構造 / 多変量解析

Outline of Annual Research Achievements

我々の周りには、神経回路網や経済システム、コンピュータネットワークなど多数の構成要素からなり、それらの構成要素が複雑に相互作用するネットワークが存在する。それらのシステムのダイナミクスの解明や予測のためには、ネットワークの構造を理解することが重要である。本研究では、システムから観測される時系列データがイベント時刻とその付加情報をもつマーク付き点過程時系列である場合を対象とし、時系列間の距離情報を用いてネットワーク構造を推定することを目的としている。
本年度は、前年度までに開発したマーク付き点過程時系列間のノンパラメトリックな距離測定指標を応用し、マーク付き点過程時系列からネットワーク構造を推定する手法の開発を行った。提案手法では、我々がこれまでに提案している偏解析を求められた距離情報に適用し、ネットワーク構造の推定を行った。
擬似的なマーク付き点過程時系列を生成する数理モデルを用いて、提案手法の有効性の確認を行なったところ、観測したマーク付き点過程時系列からネットワーク構造を精度良く推定できることを確認した。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の計画では、実データに対しても手法の適用と解析を行う予定であったが、計画通り実施できなかったため。

Strategy for Future Research Activity

本年度は数理モデルを用いて提案手法の有効性が確認できたため、今後は、外国為替取引データなどの実データに対して本手法を適用し、ネットワークの解析を行う。

Causes of Carryover

研究が当初の計画より遅れていることと、新型コロナウイルス感染症の影響により出張の予定がなくなったため次年度使用額が生じた。翌年度にワークステーションの購入と実データの利用料に使用する計画である。