2020 Fiscal Year Research-status Report
複合型メインメモリのための次世代型メモリ管理方式の創出
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19K20232
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 雅之 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (50781308)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 複合型メインメモリ / メタデータ / プリフェッチ / 性能 / 消費電力 / データ管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代のメモリシステムとして,高バンド幅積層メモリモジュールと大容量外部メモリモジュールを併用した複合型メインメモリが注目されている.一方で,複合型メインメモリでは,2つのモジュールに分けて保存されるデータをアプリケーションの実行状況に合わせてどう管理するかが性能向上や低消費電力化への課題となる.このことから,複合型メインメモリが将来主流になることを見据え,高効率なデータ管理方式を実現することを目的とし,研究を遂行してきた. 本年度は特にアーキテクチャレベルによる高性能・低消費電力なメモリ管理機構に取り組んだ.特に,複合型メインメモリのための低オーバーヘッドメモリ管理戦略に関する管理方式の具体的な手法について検討を行った.本複合型メインメモリでは広いメモリ空間を管理するためのメタデータ保持コストを抑制しつつ,実行時の性能・電力オーバーヘッドを削減する必要がある.そこで,昨年度から継続していたメタデータに対するアクセスパターンの分析を詳細化した.その結果,少なくないアプリケーションにおいて,現在のアクセスと次のアクセスのメモリ空間上での相対的な位置関係が規則的である性質を明らかにした.さらに,近い将来にアクセスされるメタデータを事前にメモリコントローラ内のメタデータキャッシュにプリフェッチする機構の設計を行った.本機構は,メモリ空間上のある位置にアクセスが発生した場合,上記の性質に基づき次のアクセスの相対的な位置を予測し,その位置に関するメタデータをメタデータキャッシュにプリフェッチする.本機構によりメモリコントローラ内でのメタデータ保持コストを削減しつつ,メモリアクセスレイテンシを削減することが可能である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,提案した低オーバーヘッドメモリ管理戦略に向けてメモリアクセスパターンをより詳細に解析し,次世代の複合型メインメモリの高速化に向けた有効な性質を明らかにした.本成果は並列・分散・協調処理に関する学会SWoPP2020にて発表し,分析結果を論文としてまとめることができた.また,本成果に基づき,高性能な複合型メインメモリシステムに向けて具体的なデータ管理機構の検討を行い,メモリコントローラ上のメタデータキャッシュに必要なメタデータをプリフェッチする機構の設計を行った.これにより,次年度の評価に向けた準備を整えることができた.以上のことから,概ね計画通りに研究が進捗していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,複合型メインメモリのための高効率なデータ管理方式に向けて検討を進める.特に,今年度行ったメモリコントローラ上のメタデータキャッシュに必要なメタデータをプリフェッチする機構の設計結果に基づき,本機構についてアーキテクチャシミュレータを用いた評価を性能と消費電力の観点から行う.また,本成果の国際論文誌・国際学会への投稿目指す.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が発生した理由としては,新型コロナウィルスの流行により国内・海外学会参加のための旅費支出が大幅に減少したためである. 使用計画については,国内学会参加のための参加費支出に用いるほかに,アーキテクチャシミュレータを用いた性能と消費電力の評価を充実させるために,計算サーバの購入やデータ保全用追加ディスクの購入等の計算機環境整備にあてる.
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Research Products
(2 results)