2020 Fiscal Year Research-status Report
Web上のAPI利用例に対する情報の鮮度を判定する整合性検査手法の開発
Project/Area Number |
19K20239
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神田 哲也 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (90780726)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ソフトウェア工学 / データマイニング / API / ソフトウェア開発効率化 / 整合性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Web上で手に入るソフトウェア開発に関するAPI利用例について、その利用例が最新版のAPIに対応したものであるかどうか、その情報の鮮度を判定する整合性検査手法を開発する。 本年度は、前年度に試作したツールであるQ&Aサイトの投稿を分析しDBと照合するツールの適用範囲を広げ、Javaに関する投稿の整合性違反を検出した。また、APIの組み合わせパターンに関する研究成果を国際ワークショップで発表した。 昨年度検討したコード片をプログラムの実行トレースを応用して分析する手法について、ツールを用いて実行ごとのトレースを可視化する手法を開発した。 また、整合性違反検出手法の実利用シーンへの適用に向けて、エディタに組み込んで開発中のソフトウェアの変更を逐一記録できる細粒度編集履歴収集プラットフォームを試作した。記録手法をエディタの種類によらないものとし、多くの環境で利用できる仕組みを構築した。さらに、類似したより良いQ&Aサイトの投稿への誘導を効率的に行うための基盤技術となる、ソースファイル間の類似度計算を軽量高速に行う手法の開発を行った。計算手法としてb-bit minhash法とLinearCouting法による類似度の近似計算を利用し、対象データのサイズとパフォーマンスのトレードオフについて確認を行った。この結果から、解析対象の規模に応じてWeb上のコード片や開発中のコード片の鮮度を判定する際の類似度計算に適した手法を選定することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Javaに関する投稿の整合性違反は期待通り検出できており、違反検出の仕組みとしても他の言語への応用が比較的容易なものを構築することができた。 APIの組み合わせや実行トレースといった、情報の鮮度に関して新たに考慮すべきと考えられる要素についても分析基盤を整えることができた。 現在は、大規模な分析作業に向けてこれらの追加情報を試作したツールに取り入れる作業を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、Java以外の言語に整合性違反検出を行うことと、APIの組み合わせや実行トレースの情報を整合性違反検出に取り入れることを軸に研究を進める予定である。 利用できる情報が増加すると整合性違反検出の結果も複雑になるため、利用者視点でこれを簡潔にまとめて提示するための手法についても検討を行う必要があると考えている。
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Causes of Carryover |
対外発表のすべてがオンライン開催となったため、旅費の支出がなくなった。 次年度は主に、研究の推進方策として計画よりより多様なデータを組み合わせた解析を行うことになったため、これに伴い必要となった装置・物品の購入に未使用額を充てる方針である。
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