2023 Fiscal Year Annual Research Report
Web上のAPI利用例に対する情報の鮮度を判定する整合性検査手法の開発
Project/Area Number |
19K20239
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神田 哲也 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教 (90780726)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ソフトウェア工学 / データマイニング / API / ソフトウェア開発効率化 / 整合性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Web上で手に入るソフトウェア開発に関するAPI利用例について、その利用例が最新版のAPIに対応したものであるかどうか、その情報の鮮度を判定する整合性検査手法を開発する。 本年度は、研究期間を延長しPython言語に関する整合性検査手法についてさらなる研究を行った。まず、開発した整合性検査手法の結果をブラウザ拡張の形でユーザに提示するツールについて、国際会議での発表を行った。当該国際会議はソフトウェア工学分野最大の国際会議に併設される形で開催され、世界トップレベルの研究者と議論を行うことができた。国際会議での議論をもとに、Q&AサイトStackOverflowに投稿されたPython言語のコード片を詳細に分析した。Q&Aサイト上において、閲覧者の投票により「良い回答である」とされたコード片の中にも、特定のPythonバージョンでは動作するコードが13%含まれること、またその多くはどのバージョンで動作するかの記述がないことを確認した。この成果を論文誌に投稿した。また、昨年度までに開発していた関連する分析技術それぞれについても論文誌への投稿を行った。 研究期間全体を通じ、以下の成果を得た。ライブラリのリポジトリから、整合性違反検出のための解析基盤となるデータを抽出する技術を開発した。そのうえで、Java言語、Python言語のコード片に対し、どのバージョンなら動作するかという情報の鮮度を判定する整合性違反を検出する手法を開発した。Python言語についてはブラウザ拡張の形でツールを実装し、またその必要性をQ&Aサイト上のコード片の分析を通じて示した。より鮮度の高い情報へ誘導するための仕組みを実現するには至らなかったが、そのための基盤技術としてコード片のメトリクスによる分類技術や類似度計算技術の改善、動的な実行の記録手法の開発と評価を行った。
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