2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K20245
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森口 草介 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (60733409)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メタプログラミング / 関数リアクティブプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究の応用先として、プログラミング言語における追加機能を元のプログラミング言語における複数の要素に展開する手法について議論を行った。これはリアクティブシステムの記述における同期的挙動における非同期的挙動の記述であり、特に周期的に発生する挙動の取り扱いについて機能追加を行なったものである。同期的言語ではどうしても非同期的な挙動を複数の条件分岐に書く必要がある。また周期的な挙動についてはその間隔に対して実行頻度を適切に設定しなければ無駄な動作を頻発してしまい、電力の無駄となる。これらの機能は、言語レベルでの変換や、意味論におけるパラメータを適切に設定することで元の言語と対応が付けられる。これらは、本研究課題の目標の一つである「既存の意味論の適切な再利用」の例として位置づけている。 このほかに、非同期的な挙動を表現する手法として、リアクティブシステムを制御する部分と並行に処理を行う非同期実行の機構を提案している。これは上記の位置づけと異なり、「与えられた言語外の機能呼び出しを伴う機構」となっているが、これは単純な言語内での変換ではうまく表現できない。検証を行うには、この言語外の機能呼び出しを検証システム上で別の性質を持つコード片として記述する、ある種のメタレベルの扱いを必要とする。本研究課題の手法とは具体的でないコード片の扱いという点で共通しており、ここから得られる成果は本研究課題の手法の洗練につながる。 また、上の応用例に関するものとは異なる成果として、国際ワークショップにて本研究課題の用いる手法について紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
手法の確立までは進んでいるものの、応用例に対する検証は基礎となる言語の定式化を必要とするため、全体として遅れている。一方で、言語の応用例は複数挙げられているため、これらの定式化が済み次第十分な進捗が見込める。
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Strategy for Future Research Activity |
メタプログラミングの応用例としてプログラミング言語と処理系の間の関係を議論する。特にリアクティブシステムに対する対話インターフェースをメタプログラミングとして表現することによる、対話システムを含めた全体の挙動の検証を目標として、メタプログラミングに対する形式化と実装における対応付けを行う。
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Causes of Carryover |
旅費として計上されていた経費が本年度まで全く使用されなかった。これは日本、特に関東におけるCOVID-19の影響により出張が困難であったことによる。最近は各学会でも現地開催の動きが見られるため、この支出に関してはある程度進むと見込まれる。また、発生している進捗の遅延によりワークステーションの購入が後ろ倒しになっている。次年度ではこちらも購入予定である。
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Research Products
(7 results)