2021 Fiscal Year Research-status Report
未知の攻撃に遭遇した際のプロセスの振る舞い検知と解析に関する研究
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19K20246
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
森山 英明 有明工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (00633009)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 仮想計算機 / サイバーセキュリティ / 機密情報の拡散検知 / 攻撃の振る舞い解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題における令和3年度の研究実績として,前年度の課題であった「プログラム解析手法の確立」について研究を進めた.この検討課題は,マルウェアや標的型攻撃によるプログラムの振る舞いを解析する手法を確立することを目的としてあげている.特に本システムでは,プログラムの動作としてシステムコールの動作を取得するため,細かく動作を解析できるという利点がある一方,攻撃者が何を意図しているかを解析するのが難しいという問題がある. この問題に対処するため,対処案を2点考えた.1点目は,機密情報にアクセスするシステムコール処理のログを利用者が分かりやすい形にグラフ化し可視化する案,2点目は機械学習を解析に取り入れて攻撃の振る舞いを解析し予測するという案である.1点目に関しては既に可視化を目的とした同様の既存研究を調査し,本システムでも利用できる形で実装を行った.2点目に関しては自身の研究分野外の技術を利用することから,機械学習に関する調査から本システムへの適応を考えて検討を行った.このため,当初の研究計画より検討,実装が遅れている. 最後に,本課題に関する昨年度の研究実績[1]を記載する. [1] Hideaki Moriyama, Toshihiro Yamauchi, Masaya Sato, Hideo Taniguchi, "Improvement and Evaluation of a Function for Tracing the Diffusion of Classified Information on KVM. ," Journal of Internet Services and Information Security (JISIS), vol.12(1), pp.26--43, 2022年2月.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究進捗状況に関して,研究計画書にある通り,令和3年度は「プログラム解析手法の確立」を予定していたが,具体的な方式の確立と効果の実証を行うこと ができていない.原因としては,研究当初予定していた計画通りに研究が進んでいないこと,振る舞い解析の手法として新たに機械学習を取り入れることを検討しており,その導入による遅れが考えられる.また,COVID-19による研究外業務の増加,リモートワークによる研究環境の準備があったためと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の積み残し課題に加え,研究計画調書に記載した通り「監視対象VMの停止と再開のルールの制定とシステムの高速化」に着手する.令和3年度において,既に監視対象VMの停止と再開に関するルールは検討しているものの,システムの高速化を考慮した実装とはなっていない.これまでに検討した機能を整理し,システムを実計算機上に実現,および性能の測定を行う.具体的には,プロセスの振る舞い解析処理によるオーバヘッドを測定し,オーバヘッド改善に向けた案を検討し,実評価により改善を確認することまでを,本年度の研究目標とする.
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Causes of Carryover |
令和3年度は,図書の購入とJISIS論文誌論文の掲載を目的として利用を行った.研究計画立案時は,仮想計算機とセキュリティの専門家と研究打ち合わせを行うことを予定していたが,COVID-19の影響により研究打ち合わせのための出張を自粛したため,次年度使用額が生じた.また,学会発表も中止,またはオンラインで実施が増えたため,予定していた出張費の執行ができなかった.さらに,昨年度の研究進捗が遅れたため,当初予定していた機材の購入を見送った. 今年度はCOVID-19による出張自粛が緩和されることが予想されるため,研究打ち合わせや学会発表等の出張費に充てる予定である.また,前年度見送った機材の購入を行い,国際学会への論文投稿時に校正を利用する等,出張以外での学会活動に費用を充てる予定である.
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