2019 Fiscal Year Research-status Report
Enhancing Timeliness of Distributed Publish/Subscribe Messaging
Project/Area Number |
19K20253
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂野 遼平 東京工業大学, 情報理工学院, 研究員 (30832521)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | publish/subscribe / 分散システム / ルーティング / オーバレイネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、低遅延な分散pub/subメッセージング技術の確立を目的とするものである。 pub/subメッセージングは、ブローカと呼ばれる中継サーバを介して情報交換を行う通信モデルである。高いリアルタイム性が求められる大規模システムへの適用を想定した場合、多数のブローカを用いて負荷を分散させつつ、そのオーバヘッドにより生じる遅延を小さく抑える技術が必要となる。 2019年度は、ブローカ群の連携において構造化オーバレイネットワークのアルゴリズムSkip Graphを用いることを想定し、Skip Graph上で経路長の短いルーティグを実現する手法を検討した(取り組み①)。シミュレーション評価により、従来手法と比べ平均経路長を20%から30%程度削減できることが明らかとなり、マルチホップ転送による遅延増大を低減できる見通しを得た。 また、ブローカ群の連携において、負荷分散性を必要としない状況下では低遅延性を優先したトポロジへと切り替える方式を検討した(取り組み②)。具体的には、MQTTプロトコルに代表されるトピックベース型のpub/subを想定し、高負荷のトピックでは前述のSkip Graphをベースとしたマルチホップのトポロジを形成することで負荷分散を図りつつ、低負荷のトピックでは関与するブローカ群がシングルホップのトポロジを形成することで低遅延性を優先したデータ交換を実現する手法を提案した。シミュレーション評価により、負荷分散による遅延増大そのものを適応的に回避できる可能性を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、2019年度に取り組み①を、2020年度に取り組み②を進める想定であったが、取り組み①のアルゴリズム設計をスムーズに進められたことにより、2020年度の着手を予定していた取り組み②をも進めることができている。 取り組み①の成果は国際会議IEEE CCNCに採択され発表を行った。取り組み②の成果は、国際会議IEEE COMPSACへの採択が決まっている他、国内シンポジウムにて発表し、ベストペーパー賞を受賞している。 以上より、本研究は当初の計画以上に進展しており、またその内容についても一定の評価を得ていると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
取り組み①および②について、より詳細な評価実験を行い、提案手法の効果を定量的に明らかにするとともに、実環境における有効性の検証を進めていく。
|
Causes of Carryover |
当初計画以上の進捗が得られたことにより実験用計算機を追加購入した一方、国内外の学会への参加に対する支出について計画と差が生じ、結果として次年度使用額が生じた。 本取り組みを進める中で、その価値をより高めることができる付帯技術の考案に至っており、今回生じた次年度使用額についてはその付帯技術の対外発表等を行うために用いる予定である。
|
Research Products
(7 results)