2019 Fiscal Year Research-status Report
A study of the widely distributed edge computing environment introduced incentives due to operational quality
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19K20256
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柏崎 礼生 大阪大学, サイバーメディアセンター, 招へい准教授 (80422004)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 運用品質 / 情報ネットワーク / エッジコンピューティング / レジリエンス / 経済的動機付け / 行動変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
エッジコンピューティング基盤において、計算機・ネットワーク資源提供者と利用者の行動原理をそれぞれ複数種類用意し、その行動規則に従うマルチエージェントシミュレーションを行うことを初年度の目標として掲げた。その前に、資源提供者がそのサービスを提供する水準を定量的に評価する手法が必要である点に着眼し、意図的な障害実装を用いたレジリエンスの定量的な評価手法に関する手法の提案と評価を行った。本題であるマルチエージェントシミュレーションについては、大規模な計算を効率的に行うための設計と実装を行った。多様化する計算機環境に即し、シミュレーション実施者が計算機環境を意識せずとも高速な評価を実現できる設計とした。この設計の評価について研究会発表し、実装をGitHubで公開した。当初の目標は概ね達成することができたと言える。 また、本研究の提案当初は計算機・ネットワーク資源が安定した電力供給の下で固定されて存在することを前提として考えていたが、この計算機やネットワーク資源が物理的にも動的に再構成されるネットワークが特にエッジコンピューティング基盤においては重要性を増すことを視点として得た。ネットワークを構成する制御装置(ルータやアクセスポイント)と駆動装置を一つにまとめ、これを自律的に移動させることにより、非電化地域においても遅延の短い計算機やネットワーク資源が提供されるという構想を、本研究の派生研究として進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
レジリエンスの定量的な評価に関する研究で、3件の国内発表(うち1件が査読あり)、5件の海外発表(うち3件が査読あり)を行った。1本の論文を投稿したが、残念ながらこちらは不採録であった。現在修正を施し再投稿の準備をしている。マルチエージェントシミュレータの設計と評価について国内研究会で発表し、実装をGitHubで公開した。当初の目標は概ね達成することができたと言える。研究提案当初は、各年度において国内研究会やシンポジウムでの発表を5回、国際学会での発表を2回、1本の論文投稿を行うことを目標と掲げており、定量的にはこの水準を満たしていると考える。また物理的に動的再構成されるネットワークの構築という新しい研究を当初目標に加えて展開することができた点を肯定的に評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は実装と大規模化を想定しているが、研究提案当初はJHPCNとの連携により、計算機やネットワーク資源を利用することを前提としていた。1年目の期間中にJHPCNの共同研究を提案し、無事採択され、国内4拠点からなる計算機資源(北海道大学が提供するアカデミックインタークラウドパッケージ)を利用することができるようになった。COVID-19の影響で国際学会がオンライン開催される傾向にあるが、この危機的状況を最大限に有効活用し(出張旅費と参加費が低減できる)、成果を広く展開する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響による、本研究で必要とされる物品の調達に遅延が生じ調達できなくなったり、成果展開のための国際学会出張が中止となり出張が取りやめになったため。調達できなかったものは2020年度に調達し、出張取りやめとなった分は2020年度に再投稿して発表を行う予定である。
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Research Products
(7 results)