2019 Fiscal Year Research-status Report
様々な嗜好を有する人々が共存する環境下における合意形成に基づいた制御
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19K20257
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
樽谷 優弥 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 助教 (10751175)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Internet of things / 機械学習 / 合意形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
情報通信技術を用いてネットワークに接続する様々な端末から情報を収集し、消費電力の削減等の目的に応じた機器制御を行うサービスが人の生活環境へも拡がりつつある。特に生活環境では、ユーザの満足度を考慮しつつ目的を達成することが要求される。一方、公共空間やオフィス環境では、多種多様な嗜好を有するユーザが生活するため、全てのユーザの満足度を考慮した機器制御は容易ではない。本研究課題では、異なる嗜好を有するユーザが生活する環境において、制御目的の達成とユーザの満足度の充足が両立可能な機器制御を提案する。本研究では、ユーザの感情、嗜好、反応を識別するユーザの満足度モデルを提案し、満足度モデルを用いた合意形成による機器制御手法を提案・研究開発する。 本年度は、ユーザの嗜好モデルを仮定して強化学習を用いた制御方法の実装に取り組んだ。深層強化学習を用いてリアルタイムに変化する情報を基に評価環境モデルを構築し、(1)外気温の変化による影響を考慮した機器制御とユーザ満足度の両立を行える強化学習を用いた制御方法の実現、(2)人の入退室を考慮してユーザ満足度と消費電力の低減を行える強化学習を行える制御方法の実現、の2つに取り組んだ。両取組ともに、空調設定と照明設定からユーザの満足度が決まると仮定し、そのうえで合意形成が可能な制御値を強化学習で導くことを目的とした。 これらの研究の結果、(1)では5人のユーザモデルを与えた時に強化学習によって得られた学習器を用いることで、最適値と比較してほぼ同様、最低でも約90%近似する制御ができることを明らかにした。また、(2)では人の入退室を制御に考慮した強化学習によって、ユーザ満足度や消費電力の報酬を高めることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年12月より、大阪大学から岡山大学に異動したことにより、研究環境の整備等により研究を行うまでに多少の時間を要してしまった。 そのため、計画以上とはいかないが、おおむね順調に進展はしている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在行っている深層強化学習を用いた制御に関してどういった条件で本手法が有効であるかを検討し明らかにすることで、本制御の有効な対象を明らかにし、国内外での発表を予定している。 また、現在は考慮していない要因やリアルタイムな制御における利点についても追及し、本手法の有効性を明らかにする。 また、人の入退室を考慮する方法についても現在は制御間隔を固定として行っているがそれらも改善を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により予定していた学会への参加がなくなったため使用できなくなったため。 本年度でも学会参加費として使用する予定であう。
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Research Products
(1 results)