2020 Fiscal Year Annual Research Report
トラブルシューティング・予測のための大規模ネットワークシステムログからの知識抽出
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19K20262
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
小林 諭 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 特任研究員 (40824107)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ネットワーク運用 / ログ解析 / 因果推論 / 転移学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模ネットワークログからの効率的な知識抽出技術の実現のため、令和二年度は主に長期間の運用データに対応するイベント因果の知識ベース構築のための研究に取り組み、その過程で以下の3つの研究成果が得られた。 1つ目は、深層転移学習を用いたログテンプレート生成技術の研究である。昨年度開発した転移学習によるテンプレート生成技術を元に、ドメイン間知識転移を深層学習における特徴空間のドメイン分離の形で表現可能な学習モデルを設計・実装した。これにより与える教師データが少ない条件であっても他ドメインの知識を利用して高精度な推定が可能となった。 2つ目は、昨年度開発したテンプレート生成手法を汎用的に比較・併用できる解析基盤amulogを用いた、既存テンプレート生成手法の評価指標検討である。既存手法の評価はこれまでの論文では多数の異なる指標が用いられ比較が困難であった。これに対しamulog上での10の指標を用いた手法比較を通して解析の要求・目的に応じた評価指標選択の指針を整理した。 3つ目は、新たなログイベントの因果探索技術の検討である。従来用いていたPCアルゴリズムには精度を制約する問題が昨年度確認されていた。これに対しMixedLiNGAMとDirectLiNGAMの2つの手法を用いた因果解析に取り組んだ。MixedLiNGAMはPCアルゴリズムの結果をベースにより高精度な因果方向および重みの推定が可能なことを示した。またDirectLiNGAMによりPCアルゴリズムの問題を回避し、また事前知識をより柔軟にモデルに反映可能であることを確認し、88%のトラブルチケットについて関連する因果情報の抽出に成功した。 以上は主に知識ベースの精度を担保する技術であり、得られた因果のマッチング技術の確立による速度面の改善について当初の目標の実現には至らなかったが、研究期間終了後も継続して取り組む。
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Remarks |
研究成果に関わるオープンソースプロジェクトのgithubでの公開ページ
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Research Products
(4 results)