2021 Fiscal Year Annual Research Report
連続緩和型アルゴリズムによる超並列高速グラフ分割の研究
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19K20280
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
二村 保徳 筑波大学, システム情報系, 助教 (30736210)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グラフアルゴリズム / 固有値計算 / 並列計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、大規模グラフのグラフ分割問題を解くための高速な並列アルゴリズムを開発を実施してきた。グラフ分割問題は科学技術計算における偏微分方程式求解や、ソーシャルネットワーク解析、並列計算の負荷バランス最適化等に広く応用されている。本研究では離散最適化問題であるグラフ分割問題を連続緩和した問題の大域的最適化に基づく連続緩和型アルゴリズムを対象とした。本年度での特筆すべき成果として測地距離型の射影法による高速な固有空間近似手法を開発し、標準的に用いられている並列グラフ分割ソフトウェアであるmt-Metisと同等の精度・並列性能をもつこと、同時にmt-Metisにはない再現可能な並列性をもつことを示した。この成果をまとめた論文がMITリンカーン研究所が主催するIEEE High Performance Extreme Computing (HPEC)2021に採択され、さらにOutstanding Paper Awardを受賞した。さらに派生的な成果として、グラフラプラシアンの概念に基づく新たな次元削減を開発したマテリアルズインフォマティクス研究のPhysical Review B採択論文への貢献、周回積分型大規模固有値解法の反復修正技法の高度化を実施したNumerical Linear Algebra with Applications採択論文への貢献が挙げられる。今後は本課題代表者が同じく代表を務める基盤研究(C)「スペクトラルアルゴリズムによる再現性を指向した高性能並列グラフ解析手法の開発」において本課題で得られた成果をさらに発展させていく。
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Research Products
(5 results)