2020 Fiscal Year Research-status Report
高温固気流動層内の非球形粒子群輸送に対する数値解析手法の開発とその応用
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19K20284
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鳥生 大祐 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (60772572)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 流体・固体熱連成 / 低マッハ数圧縮性流れ / 陽解法 / 高温度差 / 熱対流 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 本年度は、前年度に構築した高温度差の低マッハ数流れを完全陽的に計算する手法について、計算の高速化のための検討を行った。提案した手法では、基礎方程式の移流、拡散、圧力及び外力項を分離し、各項による変数の時間変化を段階的に計算していく。また、理想気体の状態方程式から圧力を計算する際に音速を人工的に低減させるためのパラメータを導入し、音速に基づく Courant-Friedrichs-Lewy 条件による時間刻み幅の制限を緩和する。これによって、気体の圧縮性を考慮しつつ、高温度差の低マッハ数流れを完全陽的に計算する。前年度までは簡単のために、この音速を低減させるためのパラメータを計算中で一定としていた。しかし、温度変化の大きな問題では音速も時間、空間的に大きく変化するため、本年度は計算中に音速を低減させるためのパラメータと計算の時間刻み幅を流況や流体の物性値に応じて柔軟に調整する手法を導入した。これにより、計算中に音速が大きく変化する場合でも効率よく計算を行うことが可能となった。 (2) 上記の流体計算手法を用いて、複数の移動粒子を含む高温度差の低マッハ数流れの数値実験を行った。流体と固体の連成計算は直交構造格子上で行われ、流体と固体の相互作用については各流体計算セルに占める固体の体積割合に応じて固体速度を流体計算セルに強制する手法を用いた。このような連成計算手法を提案した低マッハ数流れの完全陽解法と組み合わせた場合、固体周辺で圧力振動が生じる場合がある。そこで本年度では、この圧力振動を抑制するために、圧力項の計算段階で内部反復を行って圧力の伝播を擬似的に進行させる手法を検討し、一定の効果を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
音速を低減させるためのパラメータの調整方法や固体周辺における圧力振動の抑制方法についての検討に想定以上の時間がかかり、粒子の数や物性値、形状、与える温度差などの条件を様々に変えて数値実験を行うまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究開始当初の予定よりはやや遅れているものの、手法の構築は一通り完了したため、今後は計算条件を様々に変えて高温度差の低マッハ数流れによる粒子群輸送の数値実験を行い、考察を進めていく予定である。その際、計算の時間および空間分解能が計算結果に与える影響についても併せて調査し、必要に応じて手法に改良を加える。
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Research Products
(2 results)