2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K20290
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
椋田 悠介 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (50830874)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パターン認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
動画像のように複雑な対称性を持ったデータに対してその対称性を陽に考慮した畳み込みニューラルネットワークを構築する場合、現状の群上の畳み込みをベースとしてレイヤを構築すると、計算量がその群要素数の2乗に比例するため複雑な対称性を扱う程急激に計算量が多くなる問題がある。そこで我々は群上の畳み込みが表現空間では要素積に置き換えられるという事実を利用し、入力を高速フーリエ変換に類似の再帰演算により高速に表現空間に写像し、その空間で学習可能な重みをかけ、逆変換により元空間に戻して特徴量を得る手法を考案した。この手法は特に対称性を考慮するニューラルネットワークでよく用いられるような可解群に対して計算効率が良く、また近年研究されている考慮する対称性がレイヤを経る毎に荒くなり、対応する群が徐々に部分群になっていくような場合にでも容易に適用可能になる。 また、そもそも群上の畳み込み演算は群要素を頂点とし、エッジが特殊な対称性を持つグラフにおけるグラフ畳み込みになっているという事実に着目した。現状の群上の畳み込みは完全グラフにおける各エッジ重みを学習することに対応するが、事前知識を活用することでグラフの形状や対応する表現空間における重みに制約を加えることでより効果的な畳み込み演算が可能になることが示唆された。さらに近年のグラフの認識におけるニューラルネットワークの知見を活用することにより、群表現と親和性の高い多様なニューラルネットワークモデルが構築可能になると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度において複雑な対称性を持ったデータを高速に解析するための基本的な知見を得ることが出来た。さらにグラフニューラルネットワークとの対応関係も見出したため、対称性を考慮しつつより自由度の高いモデルも構築できる可能性が示された。これにより今後スムーズに具体的な動画像の解析に入ることが出来ることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
グラフニューラルネットワークの知見を用いることで、不変性を考慮しつつモデルの自由度を上げ、データから不変性を学習する等より難易度の高いタスクへの適用を試みる。さらに不変なネットワークに汎化性能に対する理論解析についても、その見通しを立てる。
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Causes of Carryover |
旅費が予定より安かったため 差額は物品購入費にあてる予定
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