2020 Fiscal Year Research-status Report
超高解像度なマルチスペクトル-深度撮像器における信号処理系の確立
Project/Area Number |
19K20303
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
高橋 智博 東海大学, 情報理工学部, 助教 (40756300)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ランダムラインスキャン / ランダムサンプリング / 適応画像修復 / レーザースキャン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,レーザー屈折結晶を用いた新たなレーザー撮像方式を提案し,信号処理の側面からその基礎理論を確立することである.本研究では以下に示す3つのアプローチによって疎に観測されたデータから画像全体を推定し復元することで,高速かつ高解像度なマルチスペクトル-深度カメラの実現を目指している. 1. 細かくサンプリングするべき点と荒くサンプリングするべき点をリアルタイムに評価しスキャンに反映させる技術の開発 2. 線状にスキャンされることを前提とした特化型画像復元技術の開発 3. 複数の波長を観測する場合の適切なスキャン方法と画像復元技術の検討 R1年度は低解像度な補助カメラを用いる事によって推定を行なったが,補助カメラとレーザースキャナとの位置ずれによる推定や画像復元へ与える影響が懸念された.そのため本年度(R2年度)は,補助カメラを用いずにこれらを推定する方法について検討した.これは,線状スキャンを一括して全て行なうのではなく数十回ずつに分割して行なう方法である.各分割毎に修復を行ない,前回の修復結果との差分を次にスキャンするべき位置の特定に用いる. 結果としては,ランダムにスキャンを行なう場合と比較して,0.2から0.3dB程度の画像復元精度向上が確認され,スキャン方法の変更のみで撮像精度を向上させることができた.また,クラスタリングに基づく一般の画像に対する修復法をまとめた論文が採択された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スキャン方法についての研究は予定以上に進展しているが,本応用のために特化した画像修復法については前回の報告と同様の理由で進展しておらず,以後の課題である.カラー・マルチスペクトルの場合についての検討は,予定通り2021年度から行なう予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
スキャン方法に関する研究が予定よりも発展しており,2020年度で終了の予定を繰り下げて継続して研究を行なう.また,画像修復法についてもクラスタリングを用いた方法をランダムスキャンの場合に適用し,修復精度の向上を図る予定である. 複数波長レーザーを用いた場合についても予定通り2021年度から研究を開始できる見込みである.
|
Causes of Carryover |
前年度からの未使用額があることに加え,コロナ渦の影響で全ての学会が遠隔開催となったことで旅費が0となったことが次年度使用額が生じた理由である. 予算の都合上困難と考えていたハードウェア実装の一部が余剰予算を用いて可能であるため,来年度に各種機器の購入を計画している.
|
Research Products
(2 results)