2021 Fiscal Year Research-status Report
超高解像度なマルチスペクトル-深度撮像器における信号処理系の確立
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19K20303
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
高橋 智博 東海大学, 情報理工学部, 助教 (40756300)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 画像修復 / RGB-Dカメラ / 信号処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,レーザー屈折結晶を用いた新たなレーザー撮像方式を提案し,信号処理の側面からその基礎理論を確立することである.高解像度な画像を取得する場合は大量の観測を要するため測定時間が長くなることが問題である.この問題に対し,本年度は細かくサンプリングするべき点と荒くサンプリングするべき点をリアルタイムに評価しスキャンに反映させる技術の開発や,既存の信号修復アルゴリズムの高速化について研究を行なった. サンプリングすべき点のリアルタイム評価については2020年の完了を目指していたが,2021年度も継続して行なった.これは補助カメラの有無によって利用可能な情報に大きな差があり,個々に検討すべきであったためである.本年度は補助カメラが無い場合について有益な発展があり,これについては研究会で報告を行なった.また,昨年度に得られた補助カメラを用いる場合の成果については査読付論文として2022年3月に発行された. 次に信号修復アルゴリズムの高速化については,Hankel-like構造化行列の構造と要素の出現回数に着目し,画像のピクセル座標(i,j)と構造化行列のインデックス(a行b列)の関係を演繹的に与える方法について検討した.提案する方法を用いる事で,非常に大きな構造化行列の生成を従来の1/1000の時間で実行可能となり,アルゴリズム全体についてもインパクトのある高速化を実現した.この成果は電気学会の研究会で報告を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年の計画変更による影響を受けているものの,本年度の計画自体は順調に推移している. 査読付論文1本,研究会での報告2回を行なっており,研究成果の社会還元も滞りなく実施されている. また,本研究の成果がハイスピードカメラに対する信号処理技術へ波及する見込みであり,最終年度においてさらなる進捗が期待される.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に沿って,複数波長のレーザーを用いて効率よくカラー画像を得るための処理について研究を進める予定である.また,2021年度に報告を行なった補助カメラが無い場合の効率的スキャン方法については,その成果をまとめ論文誌に投稿することを目標とする. ハイスピードカメラのための信号処理についても今年度波及効果が得られるかを検証し,得られた成果について報告を行なうことを予定している.
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Causes of Carryover |
当初予定に無かったハイスピードカメラの購入により物品費用の支出が予定を超過したものの,コロナ禍の影響により当年度における旅費支出が0となったため次年度使用額が生じた.これについては,来年度より現地での学会が増加することが想定されること,論文出版費用が当初予定より増加する見込みである事からそれらの予算に充てる予定である.
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