2019 Fiscal Year Research-status Report
現場で働くプロの手描きデザイナのための対話的なセルアニメ制作支援ツール
Project/Area Number |
19K20316
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福里 司 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (30809968)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コンピュータグラフィックス / ユーザインターフェース / モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,流体の動きをデザインするためのスケッチツールの構築を行った.物理シミュレーションは高品質な映像を生成できる一方で,拘束条件(例:速度場や圧力など)を設定しなければならない.これは,アニメ制作現場に物理シミュレーションの技術を導入するうえで大きなハードルになっている.この問題に取り組むために,不定形なエフェクト(例:液体や炎など)を描く際に用いられる「矢印」による拘束条件の入力方法として検討した. 矢印は方向や長さによって,位置やどの程度動くのかを表すのに非常に便利なツールである.但し,アニメータが描く矢印は物理的には必ずしも正しいわけではないので,物理シミュレーションにおける拘束条件として直接用いることはできない.そこで,「手描きの矢印線」と「物理ベースの流体表現における拘束条件」をペアで構築されたデータベースを作成し,収集したペアに存在する特徴(対応関係)の学習を行った.この学習結果(対応関係)を用いることで,任意の手描き矢印線から流体の「拘束条件」を適切に推定できることを示した. また,近年注目されている3DCGアニメ作品の制作を効率化するためのスケッチツールの構築も同時に行った.具体的には,3Dモデリング工程の一つ,(1)面貼り作業用のインタラクション技術と,(2)3Dペインティング用のカメラ操作の補助ツールを考案した.それぞれ2D/3D映像の制作経験を持つユーザを対象としたユーザテストを実施し,有用性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アニメ制作現場で用いられる技法のひとつを参考に,流体の動きをデザインするためのスケッチインタラクション技術の構築が完了しているため.また,3DCGアニメ作品の制作支援用のシステムを実装し,それに対する実験を行うことができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,アニメ制作における別工程(例:モデリングなど)について取り組んでいく予定である.また, 3DCG映像の制作を支援するための応用技術についても同様に検討する.
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Research Products
(6 results)